PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成30年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
関係者整理の確認ポイント
関係者ごとの立場や期待を分けて捉え、委託先との連携では責任の境界、情報共有の経路、合意形成の進め方を同じ基準で確認すると、選択肢の違いを落ち着いて比較できます。
この問題で問われていること
一つの観点として、関係者間で担当範囲と意思決定の所在がどのように整理されているかに注目し、連携方法がその分担や合意の流れと矛盾しないかを全体として確認してください。
視点
関係者を個別に見るだけでなく、役割、責任、期待、連絡や合意の関係を対応づけて整理します。誰が何を担い、どの場面で協議や報告が必要になるかを、問題の記述に沿って照合することが大切です。
確認ポイント
- 関係者ごとの役割と責任の境界が、混同なく整理されているか
- 委託先との情報共有や合意形成の経路が、担当範囲と整合しているか
- 記述された連携方法が、関係者の期待や意思決定の所在を曖昧にしていないか
正解と解説を見る
解説
CRM刷新を題材に、ステークホルダの特性を把握し、適切な報告・会議・説明を計画する力と、子会社のプロジェクト管理能力を高める対応を問う問題です。
問題の全体像
過去のCRM構築では、P社社長への報告経路が不明確で見直しが発生し、会議参加者不足で結論が覆った。そこでB課長は、P社のステークホルダの役割・影響度・姿勢を整理し、ステアリングコミッティ、全体会議、進捗会議を計画した。また、業務範囲を広げるX社について、プロジェクト管理の重要性を浸透させ、設計工程への参加を通じて経験を補おうとした。
設問1(1)
着目点は、過去に起きた報告経路の不明確さと会議参加者不足です。登録簿で主要ステークホルダの役割、影響度、姿勢を整理すれば、誰にどのような対応を行うべきかを明確にできる。公式解答例では、主要ステークホルダへの適切な対応と、P社社長への報告経路・会議体の整備が示されている。30字以内なので、この二つの狙いを簡潔に押さえる。
設問1(2)
R氏はP社社長への直接報告経験が少ない。一方、P社社長はCRMへの関心が高く、意向に合わない報告は見直し依頼につながり得る。したがって、Q部長に事前確認させることで、社長が知りたい内容を適切に報告できず、見直しが発生することを防ぐ。
設問1(3)
S部長は最先端CRM導入に抵抗感があるが、利用部門責任者として業務要件の承認に関与する。また、T氏だけでは要件を独力で定義できず、S部長の営業上の知見が必要です。公式解答例の二つの観点、すなわち高い影響度と、要件定義への支援必要性を35字以内でまとめる。
設問2(1)
ステアリングコミッティにはP社社長、Q部長、S部長が出席し、重要事項を最終合意する。A社側で最終意思決定に関与する人物はA社社長であるため、公式解答例は「A社社長」としている。
設問2(2)
S部長は、最先端CRMを導入するだけでは売上向上につながらないと考えており、抵抗姿勢を示している。しかし、業務要件の承認者であるため協力が不可欠です。機能の利点や営業業務への効果を説明する狙いは、システムの機能・効果を理解して協力してもらうことです。
設問3(1)
X社は技術力がある一方、プロジェクト管理の重要性への意識が希薄で、管理ルールも浸透していない。したがって、[b]には公式解答例どおり「プロジェクト管理の重要性」が入る。
設問3(2)
X社は複数メンバでチームを組んだ経験が少ないため、理解を深める活動は、チーム活動の重要性を学ぶ勉強会や、複数メンバでプロジェクトチームを組んで業務を遂行することが中心となる。35字以内では、公式解答例のいずれか、または両方の要素を簡潔に示す。
設問3(3)
X社には、顧客とレビューを繰り返しながら仕様を確定する設計経験が不足している。そのため、単に設計作業を委託するのではなく、顧客とA社とのレビューにY主任も同席させ、設計工程の進め方を実地で経験させる。公式解答例はこのレビューへの同席を示している。
学習のポイント
影響度・姿勢・役割から、具体的なコミュニケーション施策へ結び付ける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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