AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ
平成30年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問30
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア刑法
- イ特定商取引法
- ウ不正競争防止法
- エプロバイダ責任制限法
解き方のヒントを見る
法制度の対象を整理する視点
法制度の対象を考えるときは、用語の印象だけで判断せず、誰のどの行為が、どの条件で、どのような保護や規制と結び付くのかを、問題文の記述に沿って整理することが大切です。
この問題で問われていること
この問題では、制度が守ろうとする対象と、検討の対象となる行為・関係者・成立条件を分けて読み、記述が示す関係を一つずつ対応付ける観点に絞って確認しましょう。特に、制度の目的と個別の条件を混同しないことが重要です。
視点
制度を整理する際は、保護される対象、関係する主体、評価される行為、適用に関わる条件を別々に捉え、問題文の表現をそのまま対応付けます。一般論と個別事例を混ぜず、明示された根拠を確認することで、思い込みによる判断を避けられます。
確認ポイント
- 制度が保護・調整しようとする対象は何かを、問題文の目的に即して確認する。
- 関係者の立場と、評価対象として示された行為を混同していないか確認する。
- 明示された適用条件と、自分の知識から補った条件を分けて確認する。
正解と解説を見る
正解
ア
解説
Webページを改ざんし、システムに本来の使用目的と異なる動作をさせて業務を妨害する行為は、コンピュータに対する不正な操作による業務妨害として刑事罰の対象になります。
理由
設問は、企業のWebサイトを改ざんしてシステムを意図しない状態にし、業務を妨害する行為を問うています。このような電子計算機の機能を妨害する行為は、刑法上の電子計算機損壊等業務妨害に該当し得ます。したがって、該当する法律は刑法です。
比較
特定商取引法は訪問販売や通信販売などの取引を規制する法律、不正競争防止法は営業秘密や商品表示など競争上の不正を規制する法律です。プロバイダ責任制限法は、一定の場合にプロバイダの損害賠償責任を制限する制度を定める法律であり、設問の直接の処罰根拠ではありません。
選択肢ア(正解)
これは正解だよ。Webサイトを改ざんし、システムに本来の使用目的とは異なる動作をさせて業務を妨害する行為は、電子計算機の機能を妨害する犯罪として評価されます。このような行為を処罰する直接の根拠となる法律は刑法です。
選択肢イ
これは不正解だよ。特定商取引法は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売など、消費者との特定の取引形態に関する表示や契約を規制する法律です。Webサイトを改ざんしてシステムの動作を妨害する行為を、設問のように直接処罰する法律ではありません。
選択肢ウ
これは不正解だよ。不正競争防止法は、営業秘密の不正取得、商品等表示の混同惹起、技術的制限手段の回避など、事業者間の公正な競争を守るための法律です。設問の中心であるシステムの動作を妨害する行為の直接の処罰根拠とは異なります。
選択肢エ
これは不正解だよ。プロバイダ責任制限法は、インターネット上の情報流通に関して、プロバイダの損害賠償責任を一定条件で制限したり、発信者情報の開示手続を定めたりする法律です。Webサイト改ざんによる業務妨害そのものを処罰する法律ではありません。
学習のポイント
法律名の暗記だけでなく、侵害された法益と行為の性質を結び付けて判断する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問30(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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