AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ
令和6年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問9
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アITに係る全般統制の不備は,直ちに開示すべき重要な不備と評価される。
- イ監査人は,内部統制報告書を全体として虚偽の表示に当たるとするほどではないと判断したときは,いかなる場合も意見を表明する必要はない。
- ウ金融商品取引法による内部統制報告制度は,財務報告の信頼性以外の他の目的を達成するためのITの統制の整備及び運用を直接的に求めるものではない。
- エ財務報告に対する影響の重要性が僅少である事業拠点について,いかなる場合も内部統制の有効性の評価範囲に含める必要がある。
解き方のヒントを見る
評価範囲をそろえて考える
財務報告に関わる内部統制を検討するときは、対象となる範囲と評価の目的をそろえ、個別の表現だけで判断せず、各要素の関係と前提を確認しながら、全体として整合するかを整理します。
この問題で問われていること
一つの観点として、評価対象の範囲がどのように定められ、その範囲と評価手続の関係が一貫しているかを、問題文に示された条件と用語の使われ方に沿って確認してください。
視点
まず対象・目的・評価単位のつながりを整理し、同じ基準で比較できる状態にしてから、提示された説明がその枠組みに沿っているかを検討します。
確認ポイント
- 評価の対象範囲と目的が対応しているか
- 評価単位や前提条件が途中で変わっていないか
- 説明全体に一貫性があり、根拠の置き方がそろっているか
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
適切なのはウです。金融商品取引法上の内部統制報告制度は、財務報告の信頼性を確保するための制度であり、それ以外の目的に関するIT統制を直接的に求めるものではありません。
制度の目的
この制度では、財務報告の信頼性に関係する内部統制を評価・報告する。IT統制も財務報告の信頼性に関係する範囲で対象となるが、他の目的のためのIT統制全般を直接整備・運用させる制度ではありません。
各記述の判断
IT全般統制の不備は影響や重要性を踏まえて評価され、直ちに重要な不備となるわけではありません。監査人の意見表明や評価範囲も、基準上の条件を踏まえて判断されるため、「いかなる場合も」とする記述は不適切です。
選択肢ア
これは不正解だよ。ITに係る全般統制に不備があっても、その存在だけで直ちに開示すべき重要な不備と評価されるわけではない。財務報告への影響、統制の重要性、他の統制による補完などを踏まえて評価する必要があるため、「直ちに」とする断定が誤りである。
選択肢イ
これは不正解だよ。内部統制報告書を全体として虚偽表示とするほどではないと判断した場合でも、監査人が必要な意見表明を行う場面はあり得る。虚偽表示の程度だけで、いかなる場合も意見表明が不要になるわけではないため、この一律的な記述は基準と整合しない。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。金融商品取引法による内部統制報告制度は、財務報告の信頼性を確保することを目的とする制度である。そのため、財務報告の信頼性以外の目的を達成するためのIT統制について、整備・運用を直接的に求める制度ではないという説明が適切である。
選択肢エ
これは不正解だよ。財務報告への影響が僅少な事業拠点については、重要性などを考慮して評価範囲を決定する。したがって、どのような場合でも必ず評価範囲に含める必要があるとはいえない。「いかなる場合も」という断定が、リスクや重要性に応じた評価の考え方に反している。
学習のポイント
内部統制の目的と、IT統制・評価範囲・監査意見の関係を整理する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問9(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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