AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
令和4年度秋期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
監査手続を考える基本の視点
ワークフローを評価するときは、手続の各段階が目的に結び付き、記録や担当の分担によって検証可能になっているかを、全体の流れに沿って落ち着いて確認しましょう。個別の印象だけで判断せず、つながりを見ます。
この問題で問われていること
一つの観点として、定められた確認や承認が実際の流れの中で機能し、その結果を後から追跡できる状態になっているかに注目してください。手続同士の関係も併せて丁寧に見ます。
視点
監査では、手続を単独で見るのではなく、目的、実施者、判断の根拠、記録、事後確認がどのようにつながるかを整理します。評価は印象ではなく、観察できる証跡と一貫性を基に考えるのが基本です。
確認ポイント
- 手続の目的と、確認対象となる業務上のリスクが対応しているか。
- 誰がいつ何を確認したかを、記録から無理なく追跡できるか。
- 例外や判断の分岐が生じた場合にも、評価の根拠が一貫しているか。
正解と解説を見る
解説
本問は、リモートワーク推進を目的としたワークフロー見直しについて、単なる紙の電子化にとどまらず、業務廃止・簡素化・部署横断の検討・効率向上まで監査する問題です。
問題の全体像
B社は、紙の押印・署名が出社要因となっている状況を改善するため、タスクフォースで申請書等を見直している。監査では、紙を電子化したかだけでなく、紙の事務処理自体の廃止、記載項目の簡素化、関係部署をまたぐ検討、暫定対応の期限設定、ログ分析による業務効率向上まで、活動目的と見直し方針に沿っているかを確認する。
設問1
項番3と4はいずれも対応方針がペーパーレス化です。しかし、出題趣旨は押印や署名を不要にするだけの表面的な対応ではなく、必要な業務の見直しを問うている。したがって、両方の検討資料について、紙の申請書等が必要な事務処理の廃止と、申請書等の記載項目の簡素化を検討したかを確認した、とまとめる。
設問2(項番5)
項番5は、他部署が管掌する規則によって押印が必要とされ、対応方針も現行どおりです。このため、担当部署が規則を管掌する部署に対し、押印不要となるよう規則改訂を依頼したかを確認する。単に押印の有無を確認するのではなく、部署横断の見直し依頼まで書く点が重要です。
設問2(項番6)
項番6は、業者との契約書に社印の押印が必要で、現行どおりとされている。一方、法務部へのヒアリングでは、具体的な依頼があれば電子署名の利用を検討するとされている。したがって、担当部署が法務部に電子署名の利用検討を依頼したかを確認する。
設問3
項番7は、日付・氏名を入力して承認者にメール送付する暫定対応です。見直し方針④では、暫定対応の場合に押印・署名を不要とする目標時期を定めることを求めている。公式解答例では、担当部署へのヒアリングによって、その目標時期の設定を確認する監査手続としている。
設問4
項番8では、事務局がグループウェアでなくワークフローシステムを使うよう求めようとしている。しかし、グループウェアはメールやスケジューラーなどの各機能を連携させ、簡易なワークフローを作成できる。したがって一律に利用を見送ると、各機能と連携したワークフローの簡易な作成が難しくなることが支障となる。
設問5
経営者は既存業務プロセスのボトルネックを解消し、業務効率をさらに向上させるよう指示している。ペーパーレス化の効果を出社削減や事務負担削減だけに限定せず、システムのログ分析を活用する取組を次年度計画で確認する。公式解答例では、ワークフローシステムのログを分析して業務プロセスのボトルネックを解消する内容としている。
学習のポイント
監査目的、見直し方針、監査手続、確認事項を一貫して対応付ける力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度秋期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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