AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
令和4年度秋期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
運用と障害の記録をつなぐ視点
運用管理と障害管理を考えるときは、日常業務の統制と、異常発生後の対応がどのように連携し、記録・責任・改善へ結び付くかを一つの流れとして確認しましょう。監査の観点から丁寧に見ます。
この問題で問われていること
この問題では、障害への対応が場当たり的でなく、検知から記録、原因の整理、再発防止の検討まで追跡可能な形で管理されているかという連携の観点に絞って丁寧に確認します。
視点
監査の整理では、運用中の記録と障害対応の記録を別々に見るのではなく、事実関係が無理なく結び付くかを確認する視点を持ちます。担当、時点、判断、見直しの関係を読み取り、管理の一貫性を考えましょう。
確認ポイント
- 障害の発生から対応結果まで、記録の関係を追えるか確認する。
- 担当や判断の根拠が、関連する記録と矛盾なく結び付いているか見る。
- 対応後の見直しが、記録上どのように扱われているかを確認する。
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解説
本問は、運用業務をD社や再委託先に委託しているC社について、委託元としての管理責任、障害対応の承認、再発防止策を監査する着眼点を問う問題です。
問題の全体像
C社はシステム運用をD社に委託し、D社は実作業を複数の再委託先に任せている。したがって、C社は運用手順の品質、障害対応時の承認、障害情報の分析、再発防止策を自ら把握し続ける必要がある。公式解答例の出題趣旨も、委託元が委託先に任せきりにならず、自らの責任で対策を検討・推進することを重視している。
設問1
表1項番1のリスクは、運用管理規程の変更内容を作業者が十分理解しないまま作業することです。規程と実際の作業手順のずれを防ぎ、運用作業の品質を確保するには、規程変更時に運用手順書を見直すルールが必要になる。公式解答例では、このルールが定められていることを確認する内容としている。40字以内なので、規程変更、手順書見直し、ルールの三点を押さえる。
設問2(i)
夜間は再委託先の要員だけで作業することが多く、手順書にない作業が必要になってもC社の保守担当者へ速やかに連絡できない場合がある。そのため、D社責任者の承認だけで対応し、保守担当者の承認が事後になると、未承認作業が二次障害を引き起こすおそれがある。公式解答例もこのリスクを示している。
設問2(ii)(a)
追加調査では、承認手続上の問題が生じやすい場面を抽出する必要がある。問題文でその条件に該当するのは、再委託先だけで対応することが多く、保守担当者への連絡が遅れ得る夜間です。公式解答例の抽出データは「夜間に発生した障害」です。10字以内なので、この条件を簡潔に示す。
設問2(ii)(b)
抽出した夜間障害について、実際に行われた対応作業の内容と、C社保守担当者による承認の有無を照合する。問題文では原則として保守担当者の承認後に作業するルールがあり、公式解答例では「作業の実施内容がC社の保守担当者に承認されていること」を確認するとしている。
設問3
障害対応はD社だけの作業ではなく、C社システム部が責任を負う運用です。D社運用管理部のデータベース管理者だけに聞くと、C社が経営課題を踏まえて障害対応を適切に管理しているか確認できない。公式解答例では、障害対応がC社の責任において実施されていることを確認する必要がある点を理由としている。
設問4
障害DBの再発防止策は、発生した障害への対策にとどまり、データ量が将来増加した場合の予防まで記載されない可能性がある。そこで、データ量の増加を検知する仕組みがあり、その状況に応じて実施可能な対策が保守計画書などに記載されていることを確認する。これは公式解答例の要点です。
学習のポイント
委託先任せにせず、リスクと責任の所在から監査手続を組み立てる力を身につける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度秋期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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