AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

令和2年度10月 システム監査技術者 午前Ⅱ 問14

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

特許法によれば,企業が雇用している従業者が行った職務発明に基づく特許の取扱いのうち,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    企業は,承継した特許権について,特許庁が定めた対価の額を支払う必要がある。
  2. イ
    企業は,特許権について通常実施権を有する。
  3. ウ
    特許を受ける権利は,自動的に企業へ承継され,従業者と企業の共有特許となる。
  4. エ
    特許を受ける権利は,無条件に企業が取得する。
解き方のヒントを見る

権利と手続の関係を整理する視点

職務上生まれた成果をめぐる設問では、誰がどの段階で何を扱うのかを切り分け、権利そのものと、それに伴う手続や調整を混同しないよう、まず全体の流れを整理しましょう。

この問題で問われていること

選択肢を読むときは、権利の帰属、取得や移転に関する手続、関係者間の調整という異なる論点が、時間軸のどこに置かれているかだけに注目して確認してください。

視点

制度を検討するときは、まず関係者と対象となる権利を分け、次に発生・移転・利用などの段階を時系列に並べます。そのうえで、各段階で必要となる手続や調整が何に結び付くかを確認すると、論点の混線を避けられます。

確認ポイント

  • 権利を扱う主体と、関係する当事者を区別できているか
  • 出来事を発生からその後の手続まで時系列で並べられているか
  • 権利そのものと、付随する調整や手続を混同していないか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

職務発明について、企業は特許権を当然に取得するとは限らないが、一定の場合にはその特許権について通常実施権を有する。したがって適切なのはイです。

理由

特許法上、職務発明については、従業者が特許権を取得した場合でも、企業はその特許権について通常実施権を有する。これは企業が発明に関係する事業を継続して実施できるようにするための取扱いです。

比較

通常実施権は特許発明を実施できる権利であり、特許権そのものを当然に企業へ移転するものではありません。また、対価を特許庁が一律に定めるわけでも、特許を受ける権利が無条件に企業へ移るわけでもない。

選択肢ア

これは不正解だよ。企業が承継した特許権について、特許庁が対価の額を定めて企業に支払わせるという制度ではない。職務発明に関する相当の利益などの取扱いと、特許庁が一律に対価を決定することは別であり、この記述は特許法上の企業の通常実施権を説明していない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。職務発明について、従業者が特許権を取得した場合でも、企業はその特許権について通常実施権を有する。通常実施権は特許発明を実施できる権利であり、企業が特許権そのものを当然に取得することを意味しないため、記述は適切である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。特許を受ける権利が自動的に企業へ承継され、従業者と企業の共有特許になるとは限らない。権利の承継と、特許権成立後に企業が通常実施権を有することは別の問題であり、共有特許になるという後半の説明も適切ではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。特許を受ける権利を企業が無条件に取得するわけではない。職務発明であっても、権利の帰属や承継の扱いを、企業が当然に無条件取得すると整理することはできない。企業に認められる通常実施権とも異なる説明である。

学習のポイント

職務発明における特許を受ける権利の承継と、企業に認められる通常実施権を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問14(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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