AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

令和2年度10月 システム監査技術者 午前Ⅱ 問7

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム監査基準(平成30年)における、改善提案のフォローアップに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    監査対象部門と改善責任部門がともに改善を実施しないという意思決定を行った場合は、システム監査人が代わって改善を実施する。
  2. イ
    監査対象部門と改善責任部門によって実施された改善策が不十分な場合は、システム監査人が経営陣に追加の改善策の実施を指示する。
  3. ウ
    監査報告書の中で指摘事項とされたかどうかにかかわらず、監査調書に記載された全ての不備に対して、改善実施状況のフォローアップを実施する必要がある。
  4. エ
    システム監査人は、監査対象部門が提出した改善実施状況報告書の確認に加え、改善内容の追加的な検証が必要かどうかを検討する。
解き方のヒントを見る

改善提案を追跡する確認観点

改善提案のフォローアップでは、提案後に何を、どの時点で、どの証拠に基づいて確認するかを整理し、監査の目的と継続的な改善とのつながりを意識します。関係者間で共有できる形にします。

この問題で問われていること

一つの観点として、提案の実施状況を判断するための確認基準と証拠が、提案の目的や期限に対応して整理されているかを見ます。また、未完了時の次の確認時点も同じ枠組みで考えます。

視点

フォローアップでは、実施状況だけでなく、確認の時期、根拠、関係者の認識を相互に結び付けて整理します。

確認ポイント

  • 確認対象と確認時期が明確になっているか
  • 判断の根拠となる記録や証拠を想定できるか
  • 未完了や変更がある場合の次の確認方法を考えられるか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

改善提案のフォローアップでは、システム監査人が改善を代行したり、経営陣へ実施を指示したりするのではなく、改善実施状況を確認し、内容に応じて追加検証の必要性を検討する。

理由

システム監査人は、監査対象部門などが実施した改善について、提出された改善実施状況報告書を確認する。そのうえで、報告内容だけでは十分に確認できない場合などに、改善内容の追加的な検証が必要かどうかを検討する。

比較

監査人は改善の実施主体ではなく、改善の実施状況を評価・確認する立場です。したがって、改善を代行したり、経営陣に追加施策の実施を指示したりする記述は適切ではありません。また、監査調書の全ての不備を一律にフォローアップするとも限らない。

選択肢ア

これは不正解だよ。改善を実施する責任は監査対象部門や改善責任部門にあり、システム監査人がそれらの部門に代わって改善を実施するわけではない。改善を行わないという意思決定があった場合でも、監査人自身が改善作業を引き受けるという関係にはならない。

選択肢イ

これは不正解だよ。実施された改善策が不十分な場合、システム監査人は追加の改善が必要な状況を確認し、関係者へ報告・提言する立場である。経営陣に対して追加の改善策の実施を直接指示することは、監査人の役割を越えている。

選択肢ウ

これは不正解だよ。監査調書に記載された不備の全てについて、同じように改善実施状況をフォローアップするとは限らない。監査報告書での指摘内容や重要性、改善状況などを踏まえて、フォローアップや追加検証の必要性を判断する。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。システム監査人は、監査対象部門が提出した改善実施状況報告書を確認するだけでなく、報告内容や改善の状況に応じて、改善内容を追加的に検証する必要があるかどうかも検討する。この説明は監査人の役割に適合している。

学習のポイント

監査人の改善実施責任と、改善状況を確認・検証する責任の違いを理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問7(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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