AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

令和2年度10月 システム監査技術者 午前Ⅱ 問8

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

提案依頼書(RFP)によるベンダ選定手続に関するシステム監査で判明した状況のうち、監査人が、指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。

選択肢

  1. ア
    RFPに、システム化要求事項のほか、あるべき業務モデルも添付していた。
  2. イ
    RFP発行後、問合せをしてきたITベンダだけに対して追加資料を提供していた。
  3. ウ
    提案を希望するITベンダだけを集めて、RFP説明会を実施していた。
  4. エ
    予算額の範囲を、RFPに明示していた。
解き方のヒントを見る

監査指摘を整理する一つの視点

ベンダ選定に関する指摘を読むときは、個別の結論や表現に引きずられず、監査で確認した事実と、組織が定めた手続・証跡との対応関係に焦点を絞って一つずつ整理しましょう。

この問題で問われていること

確認の中心は、選定に関する記録や承認などの事実が、あらかじめ定められた管理上の要求とどのように対応しているかです。事実、基準、影響を混同せず、落ち着いて見比べましょう。

視点

監査上の指摘を整理するときは、まず確認可能な事実と、参照すべき組織上の基準・手続・証跡を同じ枠組みで捉えます。そのうえで、両者の関係を一つの観点から丁寧に照合し、評価や推測を事実と混ぜないようにします。

確認ポイント

  • 記録から確認できる事実と、推測や評価を分けて読めているか
  • 組織の規程・基準と、実際に残る証跡の対応を確認できるか
  • 不備の評価では、事実・基準・影響のどこに差があるかを区別できるか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

RFPによる選定では、全ての候補ベンダが同じ情報を基に提案できるよう、公平かつ透明な情報提供を行う必要がある。特定のベンダだけに追加資料を提供する運用は、競争条件を不均衡にするため、監査上の指摘事項となる。

理由

RFP発行後に、問合せをしてきたITベンダだけへ追加資料を提供すると、他のベンダは同じ情報を得られないまま提案を作成することになる。その結果、特定のベンダだけが有利になり、選定の公平性や透明性が損なわれる。

比較

あるべき業務モデルをRFPに添付すること、希望するベンダを集めて説明会を行うこと、予算額の範囲を明示することは、それ自体が直ちに不適切とはいえない。問題は、提案に影響する情報が一部のベンダにだけ伝わる運用です。

選択肢ア

これは不正解だよ。RFPにシステム化要求事項に加えて、あるべき業務モデルを添付することは、提案者に業務の目指す姿を示す情報提供であり、それだけで選定手続の公平性を損なう状況とはいえない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。RFP発行後、問合せをしてきたITベンダだけに追加資料を提供すると、他のベンダには同じ情報が伝わらず、提案の前提条件に差が生じる。特定のベンダを有利にするため、監査報告書の指摘事項となる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。提案を希望するITベンダを集めてRFP説明会を実施することは、RFPの内容や選定条件を説明するための一般的な手続である。参加条件が適切に設定されている限り、この記述だけでは監査上の問題とは判断できない。

選択肢エ

これは不正解だよ。予算額の範囲をRFPに明示することは、ベンダが提案内容や費用を検討するための前提情報を示す行為である。全ての候補ベンダに同じ条件で公開されるなら、情報格差を生じさせる記述ではない。

学習のポイント

RFP監査では、要求事項の内容だけでなく、情報提供の公平性と選定手続の透明性を確認する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問8(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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