AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成31年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
監査手続とリスクの対応を読む視点
事例中のリスク、関係者の役割、監査手続、追加確認の流れを対応づけ、各設問が求める「なぜ確認するのか」という理由の種類に注目して考える。事実確認と統制評価を混同しないことも意識する。
この問題で問われていること
各設問の該当箇所について、単に文書や会議を確認する対象を探すのではなく、その確認でどのリスクや判断上の不確実さを減らそうとしているのかを一つに絞って整理すること。
視点
監査では、計画上のリスクと、それを確かめるための証拠の信頼性・十分性を結び付けて読む。文書閲覧、聞き取り、運用確認などの手段は、対象の存在だけでなく、関係者間の認識や実行可能性を確かめる観点から捉える。
確認ポイント
- 設問が問うのは、確認対象そのものか、その確認を追加する理由かを区別する
- 事例のリスクと、確認手続で得られる証拠の対応を一つだけ考える
- 誰が何を決め、どの段階で不確実さが残るかを本文から確認する
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解説
本問は、システム部門の経験や体制が十分でない企業が開発を外部委託する際、丸投げを防ぎ、発注者責任を果たせる統制と監査手続を考える問題です。
問題の全体像
A社は営業支援システムの刷新を計画し、要件定義後の工程をベンダに委託する。しかし、システム部門の経験が浅く、PMも初任で、現行仕様の把握や要件変更への対応を外部に依存している。そこで、要件の優先順位、利用部門の関与、委託先の進捗確認、受入体制、変更管理が適切かを監査する。出題趣旨では、発注者側が発注者責任を果たせる体制かを確認し、リスクに応じた監査ポイントと手続を設定する力が問われている。
設問1
表1項番1は、要望事項に大中小の重要度が漏れなく設定されているかだけを確認する手続です。しかし、重要度の記載があっても、プロジェクトとしてどの要望を先に実現するかという優先順位まで検討されたとは限らない。したがって、公式解答例のとおり、重要度の設定確認だけではプロジェクトとしての優先順位を確認できない点を述べる。
設問2
体制図に利用部門の代表者が記載されているだけでは、実際に要件定義書の作成へ十分に関与したかは分からない。要件定義時の議事録と代表者へのヒアリングを確認することで、形式的な参加ではなく、利用部門の代表者が要件定義に十分関与した事実を確かめられる。
設問3
委託先との進捗会議の頻度だけでは、委託先の報告内容が正確かどうかを検証できない。成果物の一部やテスト結果を提出させ、進捗報告と照合すれば、A社が委託先の進捗報告の正確性を確認できる。公式解答例も、このA社側での確認の必要性を理由としている。
設問4
検収完了後から本番リリース準備開始前までに、A社内でユーザ受入テストを実施する計画がある。この段階について体制を確認できていないため、ユーザ受入テストを誰が担当し、どのような体制で実施するかという役割分担と体制が明確に定められていることを確認する。
設問5
開発着手後の要件追加・変更が増えても、無条件に受け入れると期間内に対応できない。そこで、追加・変更要求を採用する条件を明確にし、その条件を利用部門と事前に合意する対策を確認する。公式解答例では、採用条件の明確化と利用部門との合意が示されている。
学習のポイント
リスクから監査要点と具体的な確認手続を導く力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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