AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成31年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
前提と検証可能性を点検する視点
再構築計画を読むときは、個別の結論を急がず、計画が置く前提と、それを確かめる根拠や見直し条件が対応しているかを一つの軸で整理すると、監査上の論点を落ち着いて捉えられます。
この問題で問われていること
確認の中心は、計画上の重要な前提が変化したときに、影響を把握し、判断を更新できる形になっているかです。記述の具体性よりも、前提・根拠・見直しのつながりに注目してください。
視点
監査では、計画の主張そのものよりも、どの前提を置き、何を根拠にし、状況変化をどう捉え直すかという関係を読み取ります。画面の記述をこの流れに沿って照合し、特定の選択肢を先に決めないようにします。
確認ポイント
- 重要な判断を支える前提が、文中で追跡できる形になっているか
- 前提を確かめるための根拠と、確認する時点が結び付いているか
- 環境や条件の変化を受けた際に、影響を再評価する観点があるか
正解と解説を見る
解説
本問は、長年保守されブラックボックス化した基幹システムを、短期間・低コストでリホストする計画について、品質未達やコスト超過、稼働遅延を防ぐ監査上の確認点を問う。
問題の全体像
B社は、コスト削減とメインフレーム技術者の確保困難を背景に、基幹システムを二段階でオープン化する。第1段階では現行ソフトウェア資産を流用するリホストを行うが、長年の機能変更で設計書と実際の仕様が一致せず、未使用機能も残っている。さらに、全体要件に精通した部員がおらず、利用部門の参画もテスト工程からです。したがって、分析対象の絞込み、変換ツールの試行、現新比較テスト、利用者による操作性確認、最新仕様の文書化が監査上の重要な着眼点になる。
設問1
表3項番1は、現行資産をそのまま流用すると不要な機能まで再構築し、コストが過大になるリスクです。問題文には、現在使われていない機能・画面・帳票が存在するとあるため、分析工程でそれらを洗い出し、再構築対象範囲から除外する検討を計画しているか確認する。公式解答例でも、未使用の機能・画面・帳票を対象範囲から除外する検討が示されている。
設問2
表3項番2は、製造工程でプログラム変換ツールを使った際に問題が発生し、稼働が遅れるリスクです。表2では分析工程で数本のプログラムを変換して可否と精度を確認するため、試行対象が少なすぎたり、特定の種類に偏ったりしていないかが重要になる。公式解答例は、トライアル対象範囲が狭すぎたり偏ったりしていないことの確認を求めている。
設問3
表3項番3は、手作業で作成するプログラムを含む現新比較テストが遅れるリスクです。問題文では、機能変更時に設計書が更新されず、設計書と実際の仕様が一致しない場合があり、エラー原因の解析に手間取るとある。そのため、現行と新システムの結果が不一致になった場合、原因特定に時間を要し、テストが計画どおり進まないと考える。
設問4
表3項番4は、メインフレームからオープン系サーバへ基盤・アーキテクチャを変更することで、ユーザ受入テスト時に操作性の問題が表面化するリスクです。利用部門の参画がテスト工程からでは発見や修正が遅れるため、設計工程から利用部門を参加させ、プロトタイプなどで早期に操作性を確認してもらう施策が適切です。
設問5
表3項番5は、現行システムの状況を踏まえると、第1段階終了後の第2段階で業務機能の見直しが円滑に進まないリスクです。情報システム部には全体要件に精通した部員がおらず、設計書も最新でないため、第2段階に備え、要件定義書や設計書を整理して最新の要件・仕様を反映する計画があるか確認する。公式解答例も、この文書整理と最新情報の反映計画を確認事項としている。
学習のポイント
現行システムの問題点を工程別リスクと具体的な確認事項へ変換する力を身に付ける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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