AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成31年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問2

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム監査技法である ITF(Integrated Test Facility)法の説明はどれか。

選択肢

  1. ア
    監査機能をもったモジュールを監査対象プログラムに組み込んで実環境下で実行し,抽出条件に合った例外データ,異常データなどを収集し,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
  2. イ
    監査対象ファイルにシステム監査人用の口座を設け,実稼働中にテストデータを入力し,その結果をあらかじめ用意した正しい結果と照合して,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
  3. ウ
    システム監査人が準備した監査用プログラムと監査対象プログラムに同一のデータを入力し,両者の実行結果を比較することによって,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
  4. エ
    プログラムの検証したい部分を通過したときの状態を出力し,それらのデータを基に監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
解き方のヒントを見る

監査技法を整理する一つの視点

システム監査技法を考えるときは、技法の名称や印象だけで判断せず、監査の目的と確認対象の関係に注目し、得られる証拠の性質や限界を整理して比較しましょう。全体の文脈も確認します。

この問題で問われていること

この問題では、各技法を個別に暗記するよりも、何を確かめるための観点なのか、結果をどのような証拠として扱うのか、適用範囲はどこかを意識して読み分け、根拠を整理します。

視点

監査技法は、確認対象と目的の対応、得られる情報の性質、実施時点や適用範囲という観点で整理すると、用語の印象に左右されず比較しやすくなります。

確認ポイント

  • 確認対象と監査目的の対応を読み取る
  • 得られる証拠の性質と限界を考える
  • 実施時点や手続の違いを区別する
正解と解説を見る

正解

イ

解説

ITF法は、実稼働中のシステムに監査人用のテスト用口座などを設け、テストデータを入力して、得られた結果をあらかじめ用意した正しい結果と照合する監査技法です。

理由

ITFはIntegrated Test Facilityの略で、監査対象ファイル内に監査人用の口座などを設定し、実稼働中にテストデータを処理させる。その結果を期待される正しい結果と照合することで、実際の処理の正確性を検証する。

比較

選択肢アは監査機能を組み込んで例外データを収集する方法、ウは監査用プログラムとの実行結果を比較する方法、エは特定部分の通過時の状態を出力して追跡する方法を説明している。これらはITFの説明とは異なる。

選択肢ア

これは不正解だよ。監査機能をもつモジュールを監査対象プログラムに組み込み、実環境で例外データや異常データを収集する説明は、埋込み監査モジュールを利用する方法に当たる。ITFの中心である監査人用の口座へのテストデータ入力と、期待結果との照合を示していない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。監査対象ファイルにシステム監査人用の口座を設け、実稼働中にテストデータを入力し、その結果をあらかじめ用意した正しい結果と照合する流れは、ITF法の特徴に一致する。実環境で処理の正確性を検証する点も適切である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。監査人が用意した監査用プログラムと監査対象プログラムへ同じデータを入力し、実行結果を比較する方法は、別プログラムによる並行シミュレーションの説明である。ITFのように実稼働ファイルへ監査用口座を設ける内容ではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。プログラムの検証したい部分を通過したときの状態を出力し、そのデータを基に処理を検証する方法は、処理過程を追跡する技法の説明である。ITFに必要な監査人用口座、実稼働中のテスト入力、正しい結果との照合が示されていない。

学習のポイント

ITF法と、監査用モジュール・並行シミュレーション・命令追跡の違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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