AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成29年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問7

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム監査における監査証跡はどれか。

選択肢

  1. ア
    監査業務の全過程において,監査人が収集及び作成した資料
  2. イ
    監査対象システムの入力から出力に至る過程を追跡できる一連の仕組みと記録
  3. ウ
    監査人が監査証拠を入手するために実施する監査技術の組合せ
  4. エ
    監査人が監査手続を実施して収集した資料を監査人の判断に基づいて評価した結果
解き方のヒントを見る

監査記録の役割を問い直す視点

システム監査に関わる記録は名称が似ていても、監査の流れの中で担う役割が異なります。名称の印象で判断せず、その記録がどの段階で何のために作られ、何を裏付けるものかという一つの観点に絞って検討しましょう。

この問題で問われていること

問われているのは用語の暗記よりも、記録の位置付けの理解です。提示された内容それぞれについて、記録が監査の手続全体のどこに置かれ、どのような目的を果たすのかを自分の言葉で説明できるかを確かめることが検討の中心になります。

視点

監査で扱う記録を学ぶときは、個々の名称を覚える前に『その記録は監査のどの段階と結び付き、何を示すために存在するのか』を問う習慣を付けると、似た名称同士の混同を防げます。名称から受ける印象と実際の位置付けが一致するとは限らない点にも注意しましょう。

確認ポイント

  • その記録が監査の流れのどの段階と結び付いているかを、自分の言葉で説明できるか
  • その記録が何を裏付ける、または示すために存在するのかを言葉にできるか
  • 名称から受ける印象だけで判断せず、位置付けの観点に立ち返って確かめたか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

監査証跡とは、監査対象システムに入力されたデータがどのような処理を経て出力されたかを、記録や仕組みによって追跡できるようにしたものです。監査人が収集した資料、実施した監査技術、評価結果そのものとは区別します。

理由

正しい記述は、監査対象システムの入力から出力に至る過程を追跡できる一連の仕組みと記録です。処理の正確性や結果の妥当性を確認するための手掛かりになります。

比較

監査人が作成・収集した資料は監査調書などに当たり、監査証拠を得る方法の組合せは監査技術、資料を評価した結果は監査人の判断結果です。これらは監査証跡とは異なります。

選択肢ア

これは不正解だよ。監査人が監査業務の全過程で収集及び作成した資料は、監査人の作業を記録した監査調書などに該当する。監査対象システムの入力から出力までの処理経過を追跡する仕組みや記録そのものを示していないため、監査証跡の説明ではない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。監査対象システムの入力から出力に至る過程を追跡できる一連の仕組みと記録は、処理の流れや結果の根拠を後から確認するための監査証跡に当たる。システム内の処理経過をたどれる点が定義と一致している。

選択肢ウ

これは不正解だよ。監査人が監査証拠を入手するために実施する監査技術の組合せは、監査手続や監査技法に関する説明である。これは証拠を集めるための方法を示しており、システムの入力から出力までの処理を追跡する記録や仕組みではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。監査人が監査手続で収集した資料を判断に基づいて評価した結果は、監査人による評価や監査意見につながる成果である。評価後の結果を述べており、監査対象システムの処理経過を追跡する監査証跡そのものではない。

学習のポイント

監査証跡と監査調書・監査技術・監査結果を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問7(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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