AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成28年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
監査手続と体制確認の視点
この問題では、プロジェクト管理の監査結果を読む際に、体制・意思決定・委託間の引継ぎを個別の事実として整理し、監査手続や報告の根拠がどの記述に対応するかを確認する視点が重要です。
この問題で問われていること
一つの焦点は、監査人が把握した事実と、そこから確認・報告しようとしている管理上の論点を混同せず、体制図、会議記録、引継ぎ状況の関係を時系列も含めて追うことです。
視点
監査では、組織上の役割、会議や承認の経緯、委託先間の情報連携を、記録や関係者の説明と照合して読み取ります。設問ごとに、提示された事実がどの監査上の論点に結び付くかを整理してください。
確認ポイント
- 設問ごとに、監査結果・報告・体制図のどの記述を根拠としているかを区別する
- 確認対象が役割分担、意思決定、委託先間の情報連携のどれに関係するか整理する
- 事実の記述と、監査人が追加で確認・追跡すべき論点を分けて読む
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解説
外部委託を活用した大規模開発では、委託先に依存し過ぎず、発注者側が意思決定、調整、進捗管理、成果物の引継ぎを適切に行う必要がある。
問題の全体像
A法人は、要員不足を補うため、開発をW社・X社・Y社・Z社に、PMO業務をP社に委託している。監査では、T課長のPM兼務、ステアリングコミッティの承認遅延、P社への管理業務依存、要件定義から基本設計への引継ぎ不足が明らかになった。本問は、外部委託しても発注者側に残る管理責任を踏まえ、適切な監査手続、課題、リスク、フォローアップ事項を記述する問題です。
設問1
T課長は現行システムの運用責任者を兼務しており、自身へのインタビューだけではPMとしての実効性を十分に確認できない。表2の①~③以外の手続として、実際に連携しているP社へインタビューし、T課長がPMの役割を果たしていることを確認する、という公式解答例の内容になる。40字以内なので、確認対象と確認方法を簡潔に押さえる。
設問2
図1では、W社からZ社までサブシステム単位で委託先が分かれ、各サブチームに利用部門と委託先が配置されている。この体制では、サブシステム単位では解決できない横断的な課題が生じるため、公式解答例は「複数の委託先間にまたがって調整すべき事項が発生すること」としている。30字以内では、複数委託先間の調整という課題を明示する。
設問3
スケジュール変更時、ステアリングコミッティは対面開催ができず、書面審議と承認に約2週間を要した。重要事項の承認が遅れる事実から、公式解答例は、A法人の意思決定がタイムリーに行われず、工程遅延や手戻りが発生するリスクを示している。45字以内では、意思決定の遅延と、その結果である遅延・手戻りまで因果関係で書く。
設問4
P社への依存度が高く、開発工程の進行に伴って必要な報告内容や課題管理も変化する。したがって、単に進捗を確認するのではなく、発注者側のT課長がP社の管理業務の内容をプロジェクトの進行に合わせて随時見直しているかを確認する。これは公式解答例および採点講評が重視する、基本設計段階で判明した課題への継続的な改善です。
設問5
要件定義を担当したG社と、基本設計を担当する各委託先が異なる一方、G社は基本設計開始後に保守業務へ戻り、質問への回答が遅れて基本設計が遅延した。したがって、公式解答例は、異なる委託先へ開発を引き継ぐための期間が計画に考慮されているかを確認する内容としている。50字以内では、委託先の違いと引継ぎ期間の考慮を明示する。
学習のポイント
体制図と監査結果から、管理上の弱点をリスクと確認事項に変換する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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