AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成28年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




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システム移行監査の証跡評価
システム移行の監査では、手続の目的と実施結果が対応し、後から第三者が経緯を追える形で根拠が整理されているかを、全体の流れに沿って確認することが重要です。記録の作成時点や確認者も視野に入れます。
この問題で問われていること
ここでは、移行作業そのものの成否を先に決めるのではなく、監査手続と証跡の対応関係に注目し、何を確かめるための記録なのか、結果をどの資料で追跡できるのかを整理してください。
視点
監査証跡を読むときは、手続の目的、対象、実施時点、担当、得られた記録の関係を一つの流れとして眺めます。記録が存在するだけでなく、判断の根拠や確認範囲が読み手に伝わる構成かを考えると、妥当性を検討しやすくなります。
確認ポイント
- 手続の目的と、残された証跡が同じ確認事項を扱っているか
- 実施者や時点などの前提を、記録から追跡できるか
- 第三者が記録のつながりを読んだとき、判断過程を再現できるか
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解説
本問は、システム統合における移行判定について、利用部門や顧客への影響を踏まえ、判定基準・根拠資料・手続・承認記録の適切性を監査する問題です。
問題の全体像
D社とE社の合併に伴うシステム統合で、過去に移行判定が不十分なまま本番移行して障害が発生した。今回は中間・最終・本番の3段階で判定し、判定基準、根拠資料、手続、システム統合委員会の承認を組み合わせて管理している。設問では、顧客影響の把握、未対応のST不具合、UATの遅れ、CPの実効性に着目し、移行判定の適切性を確かめる監査手続を考える。
設問1
表1の項番3は、システム部門担当者が顧客への影響告知を不要と判断した一方、利用部門担当者は告知すべきと考えていた。さらに、顧客影響一覧が適切に作成されていなかった。したがって、追加の監査手続では、両社システム部門担当者が告知の必要性を両社利用部門担当者に確認したかを確認する。
設問2①
ST不具合が未対応で、対応完了と両社システム部門長の承認を条件に判定を可としているため、STで検出された不具合の状況を確認できる資料が必要です。公式解答例では、監査資料として「ST中間報告書」を挙げている。
設問2②
条件付きで可とする判定が実際に承認され、その条件が記録されているかを確認する必要がある。公式解答例では、判定結果と条件の承認記録を確認する資料として「システム統合委員会議事録」を挙げている。
設問3(a)
中間移行判定では、ST不具合への対応完了と承認、UAT計画の見直しと承認が条件になっていた。最終移行判定前には、中間判定で使用した資料がその後更新され、付された条件を満たしたことを確認する観点が必要です。公式解答例は「更新されて,中間移行判定で付けられた条件を満たしたか確認する」としている。
設問3(b)
判定基準案の項目・条件・根拠資料の整合性だけを確認しても、実際に条件を確認する手続が不適切なら判定の信頼性は確保できない。そのため、最終移行判定手続が適切に策定されていることも確認する。公式解答例もこの点を示している。
設問4
表3の項番2は、訓練の実施だけではCPの実効性を確認できない。図1ではCPの策定・訓練・見直しが行われるため、判定根拠資料としてCPと訓練結果報告書を照合し、訓練結果を踏まえてCPが必要に応じて見直されたか確認する。
学習のポイント
条件付き判定のフォローアップと、根拠資料に基づく具体的な監査手続の立案を学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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