AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ
平成25年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問16
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アいわゆるねずみ講方式による取引形態のWebページを開設する。
- イインターネット上に,実際よりも良品と誤認させる商品カタログを掲載し,粗悪な商品を販売する。
- ウインターネットを経由して銀行のシステムに虚偽の情報を与え,不正な振込や送金をさせる。
- エ企業のWebページを不法な手段で変造し,その企業の信用を傷つける情報を流す。
解き方のヒントを見る
電子計算機使用詐欺罪の適用対象を整理する視点
各選択肢を読むときは、条文上の名称だけで判断せず、問題となる行為がどの制度上の場面に置かれているかを整理し、事実関係と評価の対象を混同しないように確認しましょう。
この問題で問われていること
一つの観点に絞り、選択肢が示す出来事について、誰のどの段階の関与が論点として置かれているのかを読み分けて、用語の印象ではなく設問内の関係性に注目し、全体の構造を丁寧に確認しましょう。
視点
法的な適用範囲を考える際は、設問中の事実を主体、行為の時点、処理の段階などに分け、どの要素が評価対象として示されているかを整理します。
確認ポイント
- 行為者と関係者の役割を区別する
- 出来事の順序と評価される時点を確認する
- 用語の印象ではなく設問内の関係性を読む
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
電子計算機使用詐欺罪は、人を直接欺くのではなく、コンピュータに虚偽の情報を与えて、振込や送金などの財産上の処分を行わせる違法行為に適用される。したがって、銀行システムに虚偽情報を入力して不正な送金をさせるウが該当する。
理由
電子計算機使用詐欺罪は、電子計算機に虚偽の情報を与え、財産権の得喪や変更に関わる不実の電磁的記録を作るなどして、財産上の利益を得る行為を対象とする。銀行システムを誤作動させて不正な振込や送金を行わせるウがこれに当たる。
比較
ア、イ、エはいずれもWebページや商品表示、企業情報を用いた違法行為だが、設問のように電子計算機へ虚偽情報を与えて財産上の処分を行わせる行為とは異なる。行為の媒体がインターネットであるだけでは、この罪の要件を満たさない。
選択肢ア
これは不正解だよ。ねずみ講方式の取引形態によるWebページを開設すること自体は、問題のある勧誘や取引に当たる可能性がある。しかし、選択肢には電子計算機へ虚偽情報を与え、財産上の処分を行わせる行為が示されていないため、この罪の典型例とはいえない。
選択肢イ
これは不正解だよ。実際より良品と誤認させる商品カタログを掲載して粗悪品を販売する行為は、表示や説明によって購入者を欺く問題である。人を誤認させる販売行為ではあるが、銀行などの電子計算機に虚偽情報を与えて送金処理をさせる行為ではない。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。インターネットを経由して銀行のシステムに虚偽の情報を与え、その結果として不正な振込や送金をさせる行為は、電子計算機を利用して財産上の処分結果を生じさせるものだからである。人を直接だますのではなく、システムを不正に処理させる点が該当する。
選択肢エ
これは不正解だよ。企業のWebページを不法な手段で変造し、信用を傷つける情報を流す行為は、企業の信用や業務を害する違法行為になり得る。しかし、選択肢の内容からは、電子計算機に虚偽情報を与えて財産上の振込や送金を行わせたとはいえない。
学習のポイント
人への詐欺と、コンピュータを利用して財産上の処分を行わせる詐欺の違いを整理する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問16(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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