AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成22年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
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運用統制を点検するための視点
モバイル業務システムの運用と監査を考えるときは、日々の手続が定められた責任分担や記録の扱いと整合しているかを、継続的に確かめる観点に集中しましょう。証拠の残り方も含めて、実態と記録の差を見逃さないようにします。
この問題で問われていること
設問では、個別の技術名や用語の印象に引きずられず、統制が実際の業務に組み込まれ、誰が何を確認し、その結果を後から追跡できる状態かという一点だけを確認してください。
視点
運用統制を検討するときは、ルールの存在だけでなく、担当者の行動、確認や記録のつながり、例外が生じた場合の扱いが一貫して追跡できるかを、業務の流れに沿って整理します。特定の方式や結論を先に当てはめず、実施状況と証跡の対応関係を丁寧に見ます。
確認ポイント
- 業務上の重要な操作について、誰が関与し、どの時点で確認するのかを整理する。
- 実施した確認や例外対応が、後から追える記録として結び付いているかを見る。
- 定められた手続と実際の運用に差がある場合、その差を説明できる材料があるか確かめる。
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解説
本問は、モバイル端末にデータを保持してオフライン処理を行う営業支援システムを題材に、改修後の誤処理、同期失敗による重複登録、個別データ未配信、利用率の差異について、原因に対応した監査手続を問う。
問題の全体像
C社は、営業職員のモバイル端末にプログラムと共通・個別データを保存し、接続時の同期で更新・送信するシステムを導入した。監査では、改修後の誤処理が全件修正されたか、通信再開時の再送で重複登録を防げるか、異動後の個別データ未配信の原因は何か、営業所ごとの利用率差を生む要因は何かを確認する。出題趣旨では、新技術導入に伴うリスク、対応するコントロール、関連する監査手続の識別が重視されている。
設問1
改修によるバグで保険料収入データが誤処理されたが、作業記録だけでは修正対象の全体を確認できない。そこで、サーバに残るプログラム配信記録と、誤ったプログラムによるデータ処理記録を突き合わせ、誤処理された対象を網羅的に特定し、その全件が修正済みであることを確認する。公式解答例も、この二つの記録の突合を監査証跡として示している。50字以内なので、記録の種類と突合の目的を簡潔に書く。
設問2
通信切断後に同期を再実行すると、同じデータが二重登録される場合がある。送信後もデータを削除せず、個別のトランザクション番号とタイムスタンプを付ける設計なので、既存データと同じ番号・タイムスタンプを持つデータの追加を排除する機能があるかを調べる。公式解答例も、重複データの追加排除の有無を確認する内容としている。
設問3
個別データは、営業職員番号と所属営業拠点番号の組合せをファイル名や配信判定に使う。プログラム改修がなく、営業職員の異動後に特定の担当者のデータだけ配信されないなら、異動に伴う顧客サービス部の登録作業に着目する。公式解答例では、対応テーブル上で営業職員番号と所属営業拠点番号が正しく登録されていないことを原因としている。
設問4①
使用率の高い営業所と低い営業所を比較し、営業職員がモバイル端末をどの業務でどのように使っているか、操作や活用方法に違いがあるかを確認する。契約高との比例関係だけで判断せず、有効活用の実態を比較する点が重要です。
設問4②
全営業所への教育は各営業支店に任され、実施方法に差異があった。したがって、使用率の高い営業所と低い営業所で、教育担当者によるモバイル端末の使用教育の方法や内容に違いがあるかを確認する。公式解答例も教育方法の違いを確認事項としている。
学習のポイント
事実からリスクを特定し、監査証跡や比較調査に結び付けて短く記述する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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