AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成22年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
在庫情報の信頼性を見極める視点
倉庫システムの監査では、在庫情報を単なる数量として見るのではなく、記録の作成から更新、参照、復旧までが一貫して管理されているかという観点で整理すると、判断材料を漏れなく確認できます。
この問題で問われていること
今回の検討では、在庫情報が通常時だけでなく、入力・更新の途中や障害後にも追跡可能な状態で扱われるかに焦点を置き、管理上の根拠と確認方法を順序立てて照合してください。
視点
信頼性と継続性を考えるときは、情報が誰によって、どの時点で、どの記録に基づいて扱われるかを整理し、平常時と例外時の確認可能性を同じ枠組みで見比べます。
確認ポイント
- 在庫情報の生成・更新・参照の各段階で、確認すべき記録や担当範囲を整理できているか
- 通常運用と想定外の事象を分け、情報の追跡や確認に関わる観点を抜けなく置けているか
- 一時的な不整合や利用停止が起きた場合も、後から経緯を確認する視点を含めているか
正解と解説を見る
解説
倉庫在庫の正確性、月次データの信頼性、障害時の業務継続、バックアップの妥当性を、システム間連携と運用手続の観点から監査する問題です。
問題の全体像
B社は、本社在庫システムと各倉庫の倉庫システムを連携させて物流業務を行っている。監査の主眼は、倉庫在庫DBや顧客へ提供する月次在庫残高の正確性、倉庫システム障害時の入出庫業務の継続性、そしてバックアップ・復旧手順の妥当性です。解答では、問題文に示された棚卸し方法、システム間の更新周期、代替運用、古い手順書から、追加確認すべき統制や監査ポイントを具体化する。
設問1
棚卸担当者は在庫がある棚だけを入力し、在庫のない棚は棚卸しも入力もしない。このため、未実施の棚について、本当に在庫残高がゼロなのかを確認できない。公式解答例はこの点を、未実施の棚に倉庫在庫DB上も在庫残高がないことが確認されていない、と整理している。45字以内なので、「未実施の棚」「DB上の在庫残高ゼロの未確認」という二つの要素を押さえる。
設問2
倉庫在庫DBは入力の都度リアルタイム更新されるが、本社在庫システムの月次在庫ファイルは、翌月2営業日の夜間バッチで当月実績を抽出して更新される。したがって、異常やミスがなくても、両者を比較する時点によって反映済みデータの範囲が異なる。公式解答例の「更新のタイミングが異なる」という内容を、45字以内で簡潔に示す。
設問3
倉庫システムが停止した場合は、本社在庫システムを使って業務を継続する。しかし、通常はハンディ端末によって少ない要員で処理しているため、代替運用で同じ量をタイムリーに処理できるとは限らない。したがって監査では、ハンディ端末を使わずに入出庫業務を適時実施できる業務量かを確認する。これは公式解答例の監査ポイントに対応する。
設問4
本社在庫システムを代替利用する際、倉庫側の最新入力が本社側にまだ反映されていないと、古い在庫情報で処理する危険がある。そのため、事務担当者は、倉庫システムのデータが本社在庫システムにいつの時点まで更新されているかを事前に確認する。40字以内では、確認対象を更新済みデータの時点に絞る。
設問5
倉庫在庫DBは通常バックアップされず、本社在庫システムのバックアップを利用して復旧する想定です。一方、手順書は5年前に改定されたままであるため、倉庫システムのデータをどのように復旧するかが記載されていない可能性がある。公式解答例では、この復旧手順の欠落の可能性を指摘している。40字以内では「倉庫システムのデータ復旧手順がない可能性」を示します。
学習のポイント
監査では、処理の仕組みだけでなく更新時点と現場運用の実効性を確認する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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