AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成22年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
目的と効果の対応を点検する視点
企画段階の監査では、記載されたシステム化効果が、開発目的や利用者の期待とどのようにつながるかを整理し、金額面だけに偏らず、測定可能性と承認・確認の根拠にも目を向けます。
この問題で問われていること
一つの欄に書かれた効果をそのまま評価するのではなく、目的ごとに期待される変化を分け、誰が何を基準に確認できる記述になっているかという対応関係に集中してください。
視点
開発目的、利用者、期待する成果、確認方法の間に対応があるかを、文書相互のつながりとして捉えます。監査では、効果の表現が目的を十分に表しているか、後から達成状況を確認できるか、関係者の確認記録が残っているかを切り分けて考えると整理しやすくなります。
確認ポイント
- 開発目的の各要素と、効果として記載された内容は対応しているか。
- 効果を確認する主体と、達成状況を判断する基準は文書上明確か。
- 要件や設計の確認に、関係する利用者・責任部門の検討記録があるか。
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解説
A社の経営情報システム企画について、開発目的に合った効果指標、実質的な承認確認、将来の環境変化への対応を監査する問題です。
問題の全体像
A社は、経営情報を月次・日次で集計し、経営者や各事業部・店舗が分析に利用するシステムを企画している。過去に開発遅延や稼働後の未活用があったため、企画段階で開発目的に適合しているかを監査する。設問では、金額換算だけでは捉えきれないシステム化効果、目的に対応するKPI、オーナ部門の実質的な承認確認、将来の拡張性が問われている。
設問1
開発りん議書には、月次の経営指標を集計する作業の省力化効果だけが金額で記載されている。しかし、システムの目的には、経営者が情報を迅速に把握して経営判断に役立てることも含まれる。したがって、金額換算できる省力化効果だけでなく、経営判断への貢献のような定性的効果も記載すべきだと考える。50字以内では、この二つの対比を簡潔に押さえる。
設問2(1)
開発目的(1)は、経営者向けの月次レポートを迅速に作成し、経営判断に役立てることです。そのため、レポートが提供されるまでの時間をKPIとすれば、迅速な把握という目的の達成度を測定できる。公式解答例では、経営者向け月次レポートの提供までの時間が示されている。
設問2(2)
開発目的(2)では、標準的な分析パターンを各事業部・店舗に配布し、利用者自身が分析する。したがって、配布した分析パターンが実際に使われているかを測る使用頻度がKPIになる。公式解答例では、各事業部・店舗での標準的な分析パターンの使用頻度が示されている。
設問3
表2の項番2は、文書にオーナ部門責任者の承認印があるかを確認する手続であり、責任者が内容を確認したか、その承認が適切な根拠に基づくかまでは分からない。そこで、企画段階の各ドキュメントを承認した根拠について、経営企画室長にインタビューして確認する。
設問4
経営環境の変化が激しく、経営企画室から機能を固定せず見直せる対策を求める要望が出ている。このため、要件定義書には、既存の分析手法で実現できない場合にもシステムを拡張できるよう考慮されていることを確認する。公式解答例では、既存の分析手法で実現できない場合のシステムの拡張性が示されている。
学習のポイント
開発目的からKPIと監査手続を具体化する力を身につける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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