AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ
平成22年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問24
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア業務の実施状況や実績を定量的に把握できる。
- イ業務の流れを統一的な表記方法で表現できる。
- ウ定義された業務要件からデータモデルを自動生成できる。
- エ要件をE-R図によって明確に表現できる。
解き方のヒントを見る
手段と得られる効果の対応を見極める
要件定義の場面で何かの表記法を採り入れるとき、その効果が表記法そのものから生じるのか、別の活動や工程の働きによるのかを区別して考えることが大切です。目的と手段の範囲を意識して整理しましょう。
この問題で問われていること
問われているのは、ある手段を導入した結果として直接期待できることは何かという観点です。手段が本来担う役割の範囲と、それを超えて別の仕組みや取組みが必要になる事柄とを切り分けて捉えられるかが問われます。
視点
表記法は、情報を一定の約束事に従って書き表すための道具です。道具を導入する効果を考えるときは、その道具が何を記述するためのものかという本来の目的に立ち返ります。そこから論理的に導ける効果と、運用体制・別の技法・人の判断など他の要素に依存する効果とを分けて考えると整理しやすくなります。
確認ポイント
- その効果が、表記法を使うこと自体から直接生じるものかを確かめる
- 効果の実現に、別の工程・技法・体制など追加の要素が必要でないかを確かめる
- 要件定義という工程の目的と、述べられている効果の範囲が噛み合っているかを確かめる
正解と解説を見る
正解
イ
解説
BPMNは、要件定義で業務プロセスを共通の記法により表現し、関係者が業務の流れを理解・共有しやすくするために導入される。定量的な実績把握やデータモデル生成、E-R図による表現が主目的ではありません。
理由
BPMNは、業務活動の順序、分岐、並行処理、担当者や部門間の受渡しなどを、定められた記号で表す。これにより、関係者が業務の流れを共通の形式で確認できる。
比較
業務の実施状況や実績の定量化は測定・分析の領域であり、データモデルやE-R図はデータ構造と関係を表す手法です。BPMNからそれらを自動生成することも、この設問の導入効果ではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。業務の実施状況や実績を定量的に把握するには、件数、時間、コストなどの測定指標や実績データの収集・分析が必要になる。BPMNは業務の流れを表す記法であり、実績値を直接測定・集計する機能を示すものではない。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。BPMNは、業務活動の順序、分岐、並行処理、担当者間の受渡しなどを、定められた記号と規則で表現する。要件定義の段階で業務の流れを共通の表記方法に整理でき、関係者間の理解や確認をそろえやすくなる。
選択肢ウ
これは不正解だよ。定義された業務要件からデータモデルを自動生成することは、BPMNの中心的な導入効果ではない。BPMNが表すのは主に業務プロセスの流れであり、データ項目やエンティティ間の構造を設計するデータモデリングとは対象と目的が異なる。
選択肢エ
これは不正解だよ。E-R図は、エンティティ、属性、エンティティ間の関係など、データの構造を明確に表現するための図である。要件をE-R図で示す場合があっても、それはBPMNの効果ではない。BPMNは業務プロセスの流れを表現する。
学習のポイント
業務プロセス表記法と、業績測定・データモデリングの役割を区別する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問24(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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