AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成21年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問10

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

内部統制として効果的な職務の分離の説明はどれか。

選択肢

  1. ア
    開発部門のプログラマが運用部門のオペレータを兼務しない。
  2. イ
    購買管理で購入物品の検品と検品確認入力を同じ担当者が行わない。
  3. ウ
    資材管理で資材の搬入確認と搬入確認入力を兼務しない。
  4. エ
    電子送金システムでシステムの始動と送金操作を同じ担当者が行わない。
解き方のヒントを見る

職務分離を考える視点

内部統制の設問では、作業を誰が担うかだけでなく、相互けん制や確認の観点から役割の分担を捉えます。各選択肢を、統制上の役割と責任の置き方に照らして整理しましょう。

この問題で問われていること

一つの業務に含まれる準備、実行、記録、確認などの役割が、統制の目的に対してどのように配置されているかを比較し、担当者間の関係性に注目して検討します。

視点

職務分離を確認するときは、個々の担当者の肩書きではなく、業務の流れの中で権限、実施、記録、確認がどのように分担されているかという観点で整理します。

確認ポイント

  • 担当する役割と確認する役割が区別されているか
  • 相互けん制が働く配置として説明できるか
  • 一人に権限や記録が過度に集中していないか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

職務の分離は、異なる処理段階や権限を別担当に割り当て、相互けん制を働かせる内部統制です。開発と運用を分けることは、プログラム変更と本番実行の独立性を確保する。

理由

開発担当者が作成・変更したプログラムを、その担当者が運用環境で実行できると、無断変更や不正処理を発見しにくくなる。開発と運用を分けることで、変更と実行の間に相互けん制が生じる。

比較

他の選択肢は、検品や搬入確認などの実施行為と、その結果を入力する処理を分けている。しかし、それだけでは承認・実行・記録などの両立しない権限と責任を分離し、独立したけん制を確保する組合せとはいえない。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。開発部門のプログラマと運用部門のオペレータを分けると、プログラムの作成・変更を行う者が、そのまま本番環境で実行することを防げる。変更と運用実行という異なる責任を分離し、相互けん制を働かせるため、内部統制として効果的である。

選択肢イ

これは不正解だよ。購入物品の検品と検品確認入力を別担当にしても、検品結果を確認・記録する一連の処理を分けただけで、承認権限や物品管理責任との相互けん制が明確になるとは限らない。職務分離として重要な権限と責任の分離を示していない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。資材の搬入確認と搬入確認入力を別担当にすることは、確認作業と記録作業の分担にとどまる。搬入を承認する権限や資材を管理する責任との関係が分離されておらず、単独での不正や誤りを相互に検証する構成として不十分である。

選択肢エ

これは不正解だよ。電子送金システムの始動と送金操作を別担当にしても、どちらも送金処理を進めるための運用操作であり、承認や送金内容の確認を独立させたことにはならない。権限・責任・処理段階の分離による相互けん制を具体的に確保していない。

学習のポイント

職務分離では、部門名ではなく権限・責任・処理段階の組合せに注目する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問10(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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