STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
令和7年度春期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問3 ドラッグストアにおけるITを活用した新規サービス立上げ
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
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顧客価値から戦略を読む視点
小売業のIT活用を考えるときは、個別の機能や新しさだけで判断せず、誰にどのような価値を届ける施策なのか、事業とのつながりを軸に整理しましょう。利用場面と継続性にも目を向けます。
この問題で問われていること
選択肢を比べる際は、導入する技術そのものではなく、顧客の買い物体験や関係性に生じる価値と、それを事業の成果へ結び付ける考え方が一貫しているかに注目してください。
視点
IT活用を評価するときは、顧客が得る価値を起点に、施策の目的、利用される場面、事業上の効果が自然につながっているかを順に確認します。
確認ポイント
- 顧客にとっての価値が何かを確認する
- 施策の目的と利用場面のつながりを確認する
- 顧客価値と事業上の成果の関係を確認する
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解説
C社は小商圏の店舗網、調剤、標準化、仕入先との協力関係を基盤に、地域の健康・生活ニーズへ店舗とオンラインで対応し、顧客の囲い込みとLTV拡大を目指している。
問題の全体像
C社は、郊外の高齢者や流入する若い世代が住むK地域で、日常の用事を近くの一か所で済ませたいという需要や、健康相談への社会的ニーズに対応してきた。小商圏中心への出店、低価格の日用品・食料品、調剤、業務標準化、仕入先との共同企画が既存の強みです。一方、競合出店や、健康・美容など商品以外の生活の質を高めたい需要への対応が課題となった。そこで、店舗とオンラインを融合し、健康生活アプリと服薬指導補助システムによってCXとLTVを高め、薬剤師の負担も軽減する新サービスを立ち上げる点が出題の中心です。
設問1(1)
本文では、C社は自動車で約5分の小商圏の中心付近に出店し、住民が日常生活に必要なものを自宅の最寄り店舗で購入できるようにしている。近距離で便利な店舗として利用を習慣化させれば、小商圏内の顧客を自社店舗に引き付けられる。このため、公式解答例の「K地域の顧客を囲い込む狙い」になる。20字以内なので、立地の細部ではなく、顧客を囲い込む目的を端的に書く。
設問1(2)
本文では、売場レイアウトや棚割りを標準化し、POS情報に基づく自動発注を行っている。その結果、専門知識のない店舗スタッフでも業務を効率的に運営でき、空いた時間を顧客対応に回せると述べている。したがって、公式解答例のとおり、答案は「業務運営の効率化」と「顧客対応に時間を割けること」の二つを押さえる。35字以内では、標準化の手段ではなく、狙った成果を書く。
設問2
小売売場の課題では、若い世代を中心に、商品そのものではなく、健康増進や体形維持、素材にこだわった化粧品、肌や年齢に合った方法など、生活の質を高めたいニーズが増えている。従来の商品販売だけでは競合との差別化が難しいため、こうした需要に合わせた体験や情報提供が必要になった。公式解答例の「商品ではなく、生活の質を高めたいニーズが増えている状況」は、この小売売場の記述を要約したもの。
設問3(1)
新たな施策では、都市部の医療機関を受診する顧客に対し、通院中や在宅経過観察などのプレ・アフターホスピタルで、薬剤師の服薬指導・残薬管理や管理栄養士の栄養指導を提供するとしている。オンラインサポート機能は、予約した時間に来店せずリモートでこれらを受ける機能なので、公式解答例の「プレ・アフターホスピタルのサービスをオンラインでも提供すること」につながる。
設問3(2)
ヘルスケアアドバイス機能は、心拍数、体表面温度、歩数、食事などの行動情報を記録し、AIが健康状態やリスク、生活習慣改善・体形維持改善に関する情報を提示する。したがって、満たす顧客ニーズは、小売売場の課題に明記された「健康の増進や体形の維持・改善につながる情報が欲しい」というニーズです。機能の技術説明ではなく、本文の顧客ニーズをそのまま対応付ける。
設問3(3)
ビューティアドバイス機能では、AIによる肌・骨格診断やARメイクだけでなく、K地域の化粧品メーカーとの期間限定イベント予約も可能です。これは、C社が仕入先の特長を生かした共同企画を実施し、高い評判を得ているという既存の強みを活用するもの。公式解答例のとおり、仕入先の特長を生かし、高評価を得ている共同企画を実施できる点を答える。
設問4
調剤時には、過去の薬歴、飲み合わせ、保存方法など多くの確認が必要で、薬剤師の業務負担が大きく時間も掛かるため、混雑時に顧客を待たせることがある。服薬指導補助システムは、処方箋データや服薬履歴から薬効重複チェックや指導コメント作成を支援する。このため、解決対象はシステム機能そのものではなく、業務負担と時間の増大による混雑時の顧客待ちであり、公式解答例もその問題を示している。
学習のポイント
本文の課題、施策、既存の強み、期待効果を設問ごとに対応付けて短く表現する力。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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