STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
令和7年度春期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問2 ITを活用した子育て支援の強化
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の根拠となる情報の範囲を確認
この分野を学ぶ際は、判断の根拠として使える情報の範囲に注目しましょう。身近な経験や一般的な印象をいったん脇に置き、示された内容からどこまで言えるかを丁寧に確かめることが大切です。
この問題で問われていること
取り組みについて考えるときは、ある判断を支える根拠が、示された情報の中にあるかを確認してください。示されていることと、自分で補った前提を区別し、根拠の範囲を越えて解釈していないかに注目しましょう。
視点
考えを整理するときは、その判断に使った情報を指し示せるかを確かめます。示された情報と自分の推測を分けて捉えると、どこまで根拠があるかを意識できます。
確認ポイント
- 判断に使った情報を指し示せるか
- 自分で補った前提が含まれていないか
- 示された情報の範囲を越えて解釈していないか
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解説
M市の環境変化と子育て支援の成果を踏まえ、子育て適齢世代を呼び込む施策を考える問題です。アンケートで明らかになった情報不足や支援機関間の連携不足を、Angel Cloudの情報共有・提案機能と対応付けて読み解きます。
問題の全体像
M市では、リモートワークの浸透を背景に企業の拠点設置や個人の移住が増え、従来の子育て支援整備も成果を上げています。Angel City Planは、地域一体で支援を強化し、その充実を全国にアピールして子育て適齢世代を呼び込み、市の持続的な成長につなげる施策です。一方、転入世帯の情報不足、サービス利用者数の伸び悩み、支援機関間の情報共有不足が課題となっています。公式の出題趣旨では、地域の状況に即して課題を定義し、解決策を導く施策立案の能力を問うとしています。各設問では、施策の目的、課題、Angel Cloudの機能のつながりを押さえます。
設問1(1)
着目するのは、〔M市を取り巻く環境と子育て支援の整備〕冒頭のリモートワーク技術の浸透と、それを背景とした企業の地方拠点設置、個人の移住の増加です。公式解答例では「リモートワークが浸透し,地方で企業の拠点設置や個人の移住者が増えたこと」としています。40字以内では、技術の浸透と企業・個人の動きの変化をまとめます。採点講評では、子育て適齢世代の割合の増加を答えた例を挙げ、それはM市の取組による体制整備の成果だと説明しています。設問が求める環境変化と、市自身の取組の成果を区別することが要点です。
設問1(2)
Angel City Planの目的を示す「M市に子育て適齢世代を呼び込む」に着目します。目的達成の状況を把握するには、呼び込む対象である子育て適齢世代の人口がどれだけ増えたかを測る必要があります。公式解答例では「M市の子育て適齢世代の人口増加率」としています。25字以内では、対象地域、対象世代、人口増加率という指標を押さえます。全人口やサービス利用状況だけに着目せず、施策が直接目指している対象の変化と指標を対応させることが重要です。
設問2(1)
下線①は、家庭内の子育てで夫婦以外の親族から直接的な協力を得にくいという問題です。その理由は、前段の人口・世帯の説明にあります。子育て適齢世代には他県からの転入者が多く、子育て世帯にも夫婦以外の親族と同居していない世帯が多いと記されています。公式解答例では「夫婦以外の親族と同居していない,他県からの転入者が多いため」としています。35字以内では、親族との非同居と他県からの転入者の多さを理由としてまとめます。友人の少なさは下線②の情報入手の問題に対応するため、根拠を取り違えないようにします。
設問2(2)
下線②の情報入手の難しさを、行政機関側で表面化している問題に結び付けます。行政機関へのアンケートには、担当職員を増員して体制を強化したものの、サービス利用が想定を下回り、利用者数が伸びていないとあります。公式解答例では「M市の子育て支援サービスが活用されず,利用者数が伸びない問題」としています。35字以内では、サービスが活用されないことと利用者数の伸び悩みを押さえます。採点講評では、機関間の情報共有不足や世帯情報の入手手段の少なさを答えた例を挙げています。ここで問われるのは、世帯が情報を得にくいことで行政側に表れたサービス利用の問題です。
設問3(1)(a)
二つの現状のうち一つ目は、転入者がM市の子育て情報を得にくい状況です。アンケートでは、転入者は市内に古くからの友人が少なく、情報を得にくい場合があるとされています。子育てSNSでは、他の世帯が投稿したサービスや地域イベントの感想を参照でき、投稿者とつながることもできます。この情報共有が、転入者の情報不足の改善に対応します。公式解答例では「M市での子育てに関する情報を,転入者が得にくい状況」としています。30字以内では、転入者という対象と子育て情報の入手困難をまとめます。
設問3(1)(b)
二つ目は、ベビーシッターの利用に抵抗感や不安感がある状況です。アンケートには、知らない他人を自宅に招く抵抗感、安全なベビーシッターを選べるかという不安、利用者の評価を聞きたいという声があります。子育てSNSで利用した世帯の感想を参照できることが、この不安や抵抗感の改善に対応します。公式解答例では「ベビーシッターの利用に抵抗感や不安感がある状況」としています。30字以内では、利用対象と抵抗感・不安感を押さえます。SNSの機能説明ではなく、その機能が改善する現在の問題を答えます。
設問3(2)
下線③のAIによるサービス提案を、行政機関へのアンケートにあるニーズと対応付けます。行政機関は、各世帯の状況を能動的に把握し、適切なタイミングで相談を促すなどのサービスを提供したいとしています。Angel Cloud内の情報を分析し、成長段階や世帯の状況に合わせた提案を通知する機能は、このニーズを満たすためのものです。公式解答例では「適切なタイミングで子育て支援サービスを提供したい,行政機関のニーズ」としています。40字以内では、行政機関という主体、適切なタイミング、支援サービスの提供をまとめます。
設問3(3)
行政機関とサポート機関へのアンケートにある「地域一体で共同して支援に取り組みたい」という意向に着目します。現状では、情報共有の方法が確立しておらず、保有情報も標準化されていないため、互いの情報を参照できません。子育て支援記録は、各機関が実施した支援内容を記録し、相互に参照できる機能です。各機関が支援内容を共有することが、共同支援につながります。公式解答例では「行政機関とサポート機関による地域一体での共同支援」としています。30字以内では、支援する二つの主体と地域一体での共同支援を押さえ、記録機能そのものの説明で終わらせないことが要点です。
学習のポイント
環境変化と施策の成果、原因と表面化した問題を区別し、世帯側と行政側それぞれの課題をIT機能に対応付ける読み方を学びます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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