STITストラテジスト試験 午前Ⅱ

令和6年度春期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問21

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

EVA(経済的付加価値)の算出方法を説明したものはどれか。

選択肢

  1. ア
    効果の現在価値と投資額の差がゼロになる資本コストを求める。
  2. イ
    税引後営業利益から資本コストを引いて金額を求める。
  3. ウ
    投資額に対してどれだけ利益を生み出しているかを求める。
  4. エ
    投資額を回収するのに必要な期間(年数)を求める。
解き方のヒントを見る

判断に使う情報の範囲をそろえる

経済的な価値について考えるときは、扱う情報が同じ範囲を対象としているかに注目しましょう。個々の用語から結論を急がず、何についての情報なのかを整理すると、検討の土台をそろえられます。

この問題で問われていること

この問題では、判断に使う情報の対象範囲をそろえるという観点で考えてみましょう。示された条件に沿って、どこまでを対象として捉えているかを確認し、途中でその範囲を変えていないか振り返ってください。

視点

情報の対象範囲とは、その情報がどこまでの事柄について述べているかということです。情報を結び付ける際は、対象範囲がそろっているかを確かめると、検討の前提を整理できます。

確認ポイント

  • 扱う情報の対象範囲を意識できているか。
  • その範囲は示された条件に沿っているか。
  • 検討の途中で対象範囲が変わっていないか。
正解と解説を見る

正解

イ

解説

正解はイです。EVAは、税引後営業利益から資本コストを差し引いた金額です。資本を利用するための負担まで考慮し、事業がどれだけ経済的な価値を生み出したかを評価します。

理由

EVA=税引後営業利益-資本コストで求めます。ここで差し引く資本コストは金額であり、投下資本×資本コスト率で算出します。したがって、税引後営業利益から資本コストを引いて金額を求めるイが該当します。EVAが正なら、資本コストを上回る利益を生み出していると評価できます。

比較

アは、効果の現在価値と投資額の差をゼロにする率を求める内部収益率(IRR)の説明です。ウは、投資額に対する利益の割合を評価する投資利益率(ROI)の説明です。エは、投資額の回収に必要な年数を評価する回収期間法の説明です。これらは、資本コストを差し引いた利益の金額を求めるEVAとは異なります。

選択肢ア

これは不正解だよ。効果の現在価値と投資額の差がゼロになる率を求める説明は、内部収益率(IRR)に対応する。ここで求めるのは投資を評価するための率である。EVAは税引後営業利益から資本コストを差し引いた金額なので、算出する指標が異なる。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。EVAは、税引後営業利益から、事業に投じた資本に対する資本コストを差し引いて求める。資本コストは、投下資本に資本コスト率を掛けた金額として扱う。会計上の利益があっても、資本コストを賄えていなければEVAは負になる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。投資額に対してどれだけ利益を生み出しているかを求める説明は、投資利益率(ROI)に対応する。投資に対する利益の割合を評価する指標である。EVAは資本コストを差し引いた利益の金額を求めるため、投資額に対する割合を求めるこの説明とは異なる。

選択肢エ

これは不正解だよ。投資額を回収するのに必要な期間(年数)を求める説明は、回収期間法に対応する。投資による資金の回収に何年かかるかを評価する方法である。EVAは税引後営業利益から資本コストを差し引いた金額を求めるので、回収までの期間を求める方法とは異なる。

学習のポイント

税引後営業利益と資本コストの関係を理解し、EVAと内部収益率・投資利益率・回収期間を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問21(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

関連する過去問一覧

IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針