STITストラテジスト試験 午前Ⅱ
令和6年度春期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問22
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア他人の著作物から情報を抽出してAIに学習させる行為は,どのような条件においても,一切禁止されている。
- イ著作権者の許諾が得られた場合に限って,著作権者との合意の範囲内において,AIの学習に利用できる。
- ウ著作権者の利益を不当に害さない場合,その必要と認められる限度において,商業利用であるか否かを問わず,著作権者の許諾なくAIの学習に利用できる。
- エ著作権者の利益を不当に害する場合及び商業利用の場合を除いて,著作権者の許諾なくAIの学習に利用できる。
解き方のヒントを見る
利用目的と行為を切り分ける視点
AI学習データの扱いを考えるときは、技術の名称や印象だけで判断せず、どの行為が何を目的として行われ、権利との関係をどう整理するかという一つの視点に集中しましょう。
この問題で問われていること
確認の中心は、データを扱う具体的な行為と、その行為が目指す目的との結び付きです。各選択肢を読む際は、事実関係・目的・適用を検討する順序をそろえて、判断の根拠が飛躍していないかを見直してください。
視点
著作権に関する検討では、まず提示された事実を、利用される対象、実施される行為、行為の目的という観点に分けて整理します。そのうえで、どの論点について法的評価が求められているかを確認し、一般論と個別事情を混同しないように考えます。
確認ポイント
- 対象となるデータと、実際に行われる処理や利用の範囲を問題文の記述に沿って整理する。
- 行為の目的が何として示されているかを確認し、目的と手段を同じものとして扱わない。
- 判断の根拠が明示された事実に基づいているか、推測や印象を付け足していないかを点検する。
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
設問では、著作物の利用がAIによる情報解析の範囲に限られ、表現された思想や感情を享受する目的ではないとされています。この前提では、必要な範囲での利用であり、著作権者の利益を不当に害しない場合、商業利用かどうかにかかわらず、許諾なく利用できると考えます。
理由
情報解析のために著作物を利用し、著作物に表現された思想や感情を享受することを目的としない場合は、設問の前提に沿った利用として扱われます。ただし、必要と認められる限度を超えたり、著作権者の利益を不当に害したりする場合は別途問題になります。
比較
商業利用であるか否かだけで判断するのではなく、情報解析という目的、利用の必要な範囲、著作権者の利益への影響を総合して判断します。そのため、全面禁止や許諾がある場合だけの利用、商業利用の一律除外とする説明は設問の前提と合いません。
選択肢ア
これは不正解だよ。他人の著作物をAI学習に利用する行為を、条件にかかわらず一切禁止するとしている点が誤り。設問は、情報解析目的での利用について、目的や範囲、著作権者の利益への影響を踏まえた扱いを問うており、全面禁止とはしていない。
選択肢イ
これは不正解だよ。著作権者の許諾がある場合だけ利用できると限定している点が誤り。設問の前提では、情報解析のための利用について、許諾の有無だけでなく、利用の必要な範囲や著作権者の利益への影響が判断基準になる。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。情報解析を目的とし、著作物の表現を享受する目的ではないという設問の前提に沿っている。さらに、著作権者の利益を不当に害さず、必要と認められる限度であれば、商業利用かどうかを問わず、許諾なしでAI学習に利用できるとしている。
選択肢エ
これは不正解だよ。著作権者の利益を不当に害する場合を除く点は考慮すべきだが、商業利用であることだけを理由に一律除外している点が誤り。設問では、営利か否かではなく、情報解析の目的と必要な範囲などが問題になる。
学習のポイント
AI学習における著作物利用では、許諾の有無だけでなく、目的、必要な範囲、権利者への影響を確認します。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問22(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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