STITストラテジスト試験 午前Ⅱ

令和5年度春期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問10

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

J. L. ヘスケットとW. E. サッサーが提唱したサービスプロフィットチェーンの説明はどれか。

選択肢

  1. ア
    企業のビジョンと戦略の実現を目的として,財務,顧客,内部プロセス及び学習と成長の視点から達成指標やアクションプランを具体化するためのモデル
  2. イ
    顧客ごとの購買履歴を蓄積することによって顧客の収益貢献度を測定し,これに基づき,収益貢献度が高い顧客に対するサービス水準を向上するためのモデル
  3. ウ
    市場の魅力度及び市場内での自社の地位を基に,企業の製品及びサービスを分類し,どの分野に経営資源を投下し,利益を回収すべきかを検討するためのモデル
  4. エ
    従業員満足度がサービス水準を高め,それが顧客満足度及び企業利益を高め,高めた利益で従業員満足度が更に向上するという因果関係を表したモデル
解き方のヒントを見る

概念を捉える条件に着目する

概念を学ぶときは、主張がどのような条件の下で述べられているかに着目しましょう。用語から受ける印象だけで判断せず、与えられた情報に含まれる条件と、自分が補っている前提を分けて捉えることが大切です。

この問題で問われていること

考える際は、主張の内容そのものを決めつける前に、その主張が適用される条件の範囲を確認しましょう。条件が明示されている部分と、自分の経験や一般的な印象から補った部分を区別し、根拠に沿って理解を整理してください。

視点

概念についての主張を捉えるときは、成立の条件を意識すると理解を整理しやすくなります。情報に示された条件と、自分が無意識に付け加えた前提を区別して考えましょう。

確認ポイント

  • 主張に関わる条件を確認したか
  • 条件の範囲を広く捉えすぎていないか
  • 明示されていない前提を補っていないか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

正解はエです。サービスプロフィットチェーンは、従業員満足度、サービス水準、顧客満足度、企業利益の関係を捉えるモデルです。選択肢エは、利益が従業員満足度のさらなる向上につながる循環も説明しています。

理由

サービスプロフィットチェーンでは、従業員満足度が高まることでサービス水準が向上し、それが顧客満足度と企業利益の向上につながると考えます。選択肢エの後半は、高まった利益によって従業員満足度が更に向上するという循環を述べており、設問のモデルに対応しています。

比較

アは四つの視点から戦略を達成指標や行動計画に具体化するバランススコアカードの説明です。イは顧客ごとの収益貢献度に応じたサービス提供、ウは事業ポートフォリオ分析による経営資源の配分を扱っています。エは従業員満足度からサービス、顧客満足度、企業利益へとつながる関係を扱っています。

選択肢ア

これは不正解だよ。財務、顧客、内部プロセス、学習と成長という四つの視点から、ビジョンと戦略を達成指標や行動計画に落とし込む説明は、バランススコアカードに当たる。戦略の具体化と実行管理を扱うモデルであり、サービスプロフィットチェーンの説明とは異なる。

選択肢イ

これは不正解だよ。購買履歴を蓄積して顧客ごとの収益貢献度を測り、貢献度が高い顧客へのサービス水準を上げる説明である。顧客関係管理(CRM)の考え方に沿った施策であり、従業員満足度からサービスや顧客満足度、企業利益へのつながりを説明するモデルとは異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。市場の魅力度と市場内での自社の地位を基に製品やサービスを分類し、資源の投下先や利益の回収先を検討する説明は、事業ポートフォリオ分析に当たる。事業間の資源配分を判断するモデルであり、従業員と顧客、企業利益の関係を表すものではない。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。従業員満足度の向上がサービス水準を高め、顧客満足度と企業利益の向上につながるという説明は、サービスプロフィットチェーンに合致する。得られた利益を従業員の満足度を高める取組に回し、さらなる向上につなげる循環も、選択肢の説明に含まれている。

学習のポイント

従業員への取組と顧客へのサービス、企業利益のつながりを理解し、戦略管理や事業への資源配分を扱うモデルと区別しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問10(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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