STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
令和3年度春期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
判断の根拠と解釈を分けて整理
検討するときは、与えられた情報から直接確認できる内容と、自分が補って考えた内容を区別しましょう。もっともらしさだけで判断せず、考えのよりどころがどこにあるかを確かめることに集中してください。
この問題で問われていること
判断の根拠をたどる際は、示された事実と、そこから自分が読み取った意味の境目に注目してください。解釈に必要な前提を知らずに付け足していないか、元の情報に戻って点検する姿勢が役立ちます。
視点
情報そのものと、その情報についての解釈は分けて扱えます。判断に迷ったら、自分の考えのどの部分が示された内容に基づき、どの部分が推測なのかを整理しましょう。
確認ポイント
- 判断の根拠となる情報はどこにあるか
- 示された内容に自分の推測を混ぜていないか
- 解釈のために追加した前提がないか
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解説
B社の人員配置や既存技術を、学校のカメラマン調達難、職員の手作業、保護者の写真探しやプライバシーへの要望に対応付ける問題です。設問ごとに求められる範囲を守り、具体的な効果や提案を本文から導きます。
問題の全体像
B社は、カメラマンの稼働率が下がっている写真事業で、人的リソースの有効活用と事業拡大を目指しています。一方、小中学校にはカメラマンの調達難や写真販売に伴う職員の負担があり、保護者には写真を探す手間があります。B社は写真購入システムと顔識別・表情分析の技術を使い、これらの課題を解決する新規ビジネスを企画します。公式の出題趣旨では、関係者の課題や要望を適切な解決策に結び付ける企画能力と、自社技術を活用した提案能力が問われています。人員、業務、技術、既存サービスのそれぞれについて、誰のどの課題に役立つかを整理することが要点です。
設問1
〔B社の写真事業〕の「同一都市に複数の写真スタジオ」「カメラマンがそれぞれ複数名勤務」という記述と、〔小中学校の状況〕の「同一日に学校行事を実施することが多く、カメラマンの調達に苦労した」という記述を結び付けます。B社は同一都市で複数のカメラマンを確保できるため、行事日が重なる複数校にも派遣できることが強みになります。公式解答例では「同一日に同一都市の複数の小中学校にカメラマンを派遣できること」としています。35字以内では、同一日・同一都市・複数校への派遣を押さえます。採点講評では、B社の人員の状況だけでなく、学校行事の実施日の状況まで踏まえた解答が少なかったと指摘されています。
設問2(1)
〔B社の写真事業〕にある「かつてよりもカメラマンの稼働率が下がっている」に着目します。B社が掲げる人的リソースの有効活用は、この稼働率低下という問題に対応するための事業課題です。公式解答例では「カメラマンの稼働率低下」としており、15字以内でもこの表現で問題を具体的に示せます。採点講評では「スマートフォン内蔵カメラの普及」という解答が見られたとしています。普及は問題を生んだ原因であり、ここで答えるべき内容はB社が解決しようとしている稼働率低下です。
設問2(2)(a)
従来の販売プロセス②「プリントした写真を学校の職員が校内に掲示する」と、新しいプロセス⑤「保護者がアカウントページから写真を閲覧する」を比較します。写真をシステム上で閲覧できれば、職員が写真を校内に掲示する作業を減らせます。公式解答例では「写真を掲示する業務負荷の軽減」としています。20字以内では、軽減される具体的な作業として「写真の掲示」を明示します。カメラマンの派遣による撮影負担の軽減はサービス全体の効果なので、写真購入システムが提供するメリットという設問の範囲を確認することが大切です。
設問2(2)(b)
従来の販売プロセス④・⑤では、保護者が注文票を学校職員に提出し、職員が注文を取りまとめています。新しいプロセス⑤・⑥では、保護者がシステム上で購入写真を選択し、B社が購入希望情報を確認して写真を送付します。このため、学校職員による注文の取りまとめ作業を減らせます。公式解答例では「注文を取りまとめる業務負荷の軽減」としています。20字以内では「注文の取りまとめ」と「負荷の軽減」を押さえ、もう一つの回答である写真掲示の負担軽減と区別します。
設問2(3)(a)
〔小中学校の状況〕で、保護者が多数の写真から自分の子供を探すことを手間に感じている点に着目します。写真レコメンド機能の「顔の識別」は、保護者が選んだ数枚の写真に共通する顔を識別し、その顔と似た顔が写る写真を優先して提示します。これにより、自分の子供が写っている写真を探す手間が減ります。公式解答例では「自分の子供が写っている写真を探す手間の軽減」としています。30字以内では、探す対象が自分の子供の写真であることと、探索の手間が減ることを示します。来校が不要になる効果はオンライン閲覧によるものであり、レコメンド機能の効果とは区別します。
設問2(3)(b)
保護者が「自分の子供が良い表情で写っている写真」を探すことにも手間を感じている点に着目します。写真レコメンド機能の「表情の分析」は、笑顔の写真を優先して提示するため、良い表情の写真を選ぶための探索負担を減らします。公式解答例では「自分の子供が良い表情で写っている写真を探す手間の軽減」としています。30字以内では「自分の子供」「良い表情」「探す手間の軽減」を押さえます。顔の識別による子供の写真探しと、表情の分析による良い表情の写真探しを、二つのメリットとして書き分けます。
設問3(1)
要望は、自分の子供の顔が写った写真を他の保護者に購入されたくない、というものです。〔B社の写真事業〕で開発済みの顔識別と自動ぼかしの技術を結び付け、要望のあった子供の顔を識別してぼかす機能を導きます。公式解答例では「指定した子供の顔に自動でぼかしを入れる機能」としています。30字以内では、対象を指定した子供の顔に限定し、自動でぼかすことを示します。採点講評では、自分の子供以外の顔全てをぼかす解答が見られたと指摘されています。必要なのは、要望があった子供を対象とし、他の保護者が購入する場合にその顔をぼかす対応です。
設問3(2)
〔小中学校の状況〕の「卒業アルバムを思い出に残る良いものにするために毎年非常に苦労している」と、B社がデザイン部門の協力でアルバムを編集・販売し、そのデザイン性を高く評価されていることを結び付けます。学校行事の写真は卒業アルバムにも利用されるため、B社の既存のアルバム制作能力を学校の課題解決に生かせます。公式解答例では「卒業アルバムの制作」としています。15字以内では、この提案内容を端的に示します。学校の困り事とB社の既存ビジネスの強みの両方に根拠がある提案として捉えることが大切です。
学習のポイント
自社の強みを顧客の課題と結び付ける読み方と、原因・問題・解決策・効果を区別して字数内で表現する力を身に付けましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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