STITストラテジスト試験 午前Ⅱ

令和3年度春期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問19

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

将来の科学技術の進歩の予測などについて,専門家などに対するアンケートを実施し,その結果をその都度回答者にフィードバックすることによって,ばらばらの予測を図のように収束させる方法はどれか。
第1回から第3回のアンケートで,実現時期の下方四分位数,上方四分位数がメジアン付近へ収束する三つの分布図。
第1回から第3回のアンケートで,実現時期の下方四分位数,上方四分位数がメジアン付近へ収束する三つの分布図。

選択肢

  1. ア
    ゴードン法
  2. イ
    デルファイ法
  3. ウ
    ミニマックス法
  4. エ
    モンテカルロ法
解き方のヒントを見る

判断の前提となる条件を確認する

将来に関する調査を考える際は、与えられた条件と、自分が補っている前提を分けて整理しましょう。見慣れた用語から結論を急がず、判断の根拠が示された条件の範囲に収まっているかを確かめることが大切です。

この問題で問われていること

この問題では、判断に用いる前提が、与えられた条件に支えられているかという一点に注目しましょう。知っている事例や印象を当てはめる前に、明示されていることと、自分の推測を混同していないかを確認してください。

視点

条件に書かれた情報と、経験から補った想定は区別して扱います。判断を支える前提を言葉にすると、根拠のある理解と推測が混ざっていないかを見直しやすくなります。

確認ポイント

  • 判断に使う前提は、与えられた条件から確認できますか。
  • 経験や印象だけで、条件を補っていませんか。
  • 示された条件より広い範囲に、判断を広げていませんか。
正解と解説を見る

正解

イ

解説

正解はイのデルファイ法です。専門家などへのアンケートと、集計結果の回答者へのフィードバックを繰り返して予測の収束を図ります。図では、回を重ねるほど四分位数の間隔が狭くなり、予測のばらつきが小さくなっています。

理由

デルファイ法では、専門家などから予測を集め、集計結果を回答者に示した上で再回答を求めます。回答者が他の回答の傾向も踏まえて予測を見直すことで、意見の収束を図ります。設問のアンケートとフィードバックを繰り返す手順が、この方法に該当します。

比較

ゴードン法は抽象的なテーマから新しい発想を得る手法、ミニマックス法は最大損失を最小にする意思決定の手法、モンテカルロ法は乱数による試行から結果を推定する手法です。設問で行っているのは、回答者へのフィードバックを伴う予測調査です。

選択肢ア

これは不正解だよ。ゴードン法は、参加者に具体的な課題を初めは明かさず、司会者が示す抽象的なテーマから自由に発想を広げる手法です。新しいアイデアを得ることが目的であり、アンケート結果を回答者に返して予測を収束させる設問の手順とは異なります。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。デルファイ法は、専門家などにアンケートを行い、集計結果を回答者にフィードバックして再び回答を求める手順を繰り返す手法です。図では回を重ねるほど四分位数の間隔が狭まり、予測のばらつきが小さくなっており、この方法の特徴に一致します。

選択肢ウ

これは不正解だよ。ミニマックス法は、各選択肢で起こり得る最大の損失を比較し、その最大損失が最小になる選択をする手法です。最悪の結果を基準に意思決定するもので、回答者にアンケート結果を返して予測のばらつきを小さくする設問の方法とは異なります。

選択肢エ

これは不正解だよ。モンテカルロ法は、乱数を使って確率的な現象を繰り返し試行し、結果の分布や平均などを推定する手法です。反復する点は共通しますが、設問では専門家の回答を集め、その結果を回答者に返しています。乱数による試行で予測を求める手順ではありません。

学習のポイント

予測手法の目的と手順を対応付け、発想法・意思決定法・シミュレーション法との違いを整理しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問19(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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