STITストラテジスト試験 午前Ⅱ
令和3年度春期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問14
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アコモディティ化が進んでいる分野で製品を開発しても,他社との差別化ができず,価格競争に陥り,利益の獲得が難しいこと
- イ新製品が市場に浸透していく過程において,実用性を重んじる顧客が受け入れず,より大きな市場を形成できないこと
- ウ先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難があること
- エプロジェクトのマネジメントが適切に行われないために,プロジェクトの現場に生じた過大な負担がメンバを過酷な状態に追い込み,失敗に向かってしまうこと
解き方のヒントを見る
課題を捉える範囲を意識する
技術経営の課題を学ぶときは、用語の印象だけで理解を固めず、その課題が何を対象としているかに目を向けましょう。まずは扱う範囲を意識し、読み取った内容と自分の思い込みを分けて整理することが大切です。
この問題で問われていること
検討の軸は、課題が扱う対象の範囲です。与えられた情報の中で、その範囲をどこまで読み取れるかを確かめましょう。書かれていることを越えて対象を広げたり、根拠なく狭めたりしていないかを振り返ってください。
視点
課題についての理解を整理するときは、扱う対象の範囲に注目します。その範囲を支える記述と、自分が補って考えた内容を分けておくと、理解の根拠を確かめやすくなります。
確認ポイント
- 課題が扱う対象の範囲を意識できているか
- 対象の範囲を捉えた根拠が与えられた情報にあるか
- 思い込みで対象の範囲を広げたり狭めたりしていないか
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
正解はウです。死の谷は、研究開発で成果を得ても、それを事業化するまでに資金や生産体制などの課題が残り、事業へつなげることが難しい状況を指します。
理由
死の谷は、研究開発の成果を事業化へつなげる際の障壁です。例えば、技術的に優れた製品を開発できても、量産に必要な資金や生産体制を確保できなければ事業として成立しません。ウは、先進的な製品開発に成功しても事業化には更なる困難があると述べており、この意味に合致します。
比較
アは、コモディティ化による差別化の難しさと価格競争の問題です。イは、実用性を重んじる顧客に受け入れられず市場が広がらないキャズムの説明です。エは、不適切な管理によって現場が過酷な状態になるデスマーチの説明です。それぞれ、死の谷とは異なる課題を述べています。
選択肢ア
これは不正解だよ。コモディティ化が進み、他社との差別化ができないため、価格競争に陥って利益を得にくくなる状況を述べています。競争の中で収益を確保する難しさであり、開発の成功から事業化へ進む際の障壁を指す死の谷とは異なります。
選択肢イ
これは不正解だよ。実用性を重んじる顧客が新製品を受け入れず、大きな市場を形成できないという、市場への普及に関する問題です。これは初期の採用者から一般的な顧客層へ広がる際の隔たりであるキャズムに対応し、死の谷とは異なります。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。死の谷は、技術や製品の開発に成功しても、その成果を事業として成立させるまでに存在する障壁を指します。開発の成功だけでは事業化が保証されず、追加の資金や生産体制などが必要になるため、選択肢の説明に合致します。
選択肢エ
これは不正解だよ。不適切なプロジェクト管理によって現場の負担が過大になり、メンバが過酷な状態に追い込まれて失敗へ向かう状況です。これはデスマーチに対応する説明であり、開発成果を事業化する際の障壁を指す死の谷とは異なります。
学習のポイント
開発の成功と事業の成立を区別し、死の谷とキャズム、デスマーチが表す課題の違いを理解しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問14(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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