STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
令和元年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
事業立ち上げの検討視点
新しい仕組みを考えるときは、対象となる課題、提供する価値、実現に必要な資源、継続して成り立つ条件を順に整理し、各要素のつながりと前提の整合性を確認することが大切です。
この問題で問われていること
この問題では、施策を個別に暗記するよりも、誰にどのような価値を届け、それを実行・継続するための条件がどう結び付くかという一つの視点で全体を読み取ってください。
視点
事業の検討では、利用者の課題と提供価値を起点に、実行体制や資源、継続性などの関係を整理します。各要素が互いに矛盾せず、段階的に検証できるかを考えると、説明の筋道を捉えやすくなります。
確認ポイント
- 対象とする課題と、提供しようとする価値の対応が自然か確認する
- 実現に必要な人・資金・技術などが、計画の前提と整合しているか確認する
- 開始後も継続して価値を届けられる条件が、他の要素と結び付いているか確認する
正解と解説を見る
解説
本問は、経営課題を解決するためにITを組み込んだビジネスモデルを策定し、その内容、立上げ施策、経営層の指摘を受けた改善までを一貫して論述する問題です。
問題の全体像
競争激化や技術進展を背景に、企業には新規顧客の獲得、競争優位性の確保、新たな収益源の創出が求められている。本問では、現行事業の特性と経営課題を踏まえ、ITを活用したビジネスモデルを自分の経験に基づいて説明する。設問アで背景、設問イで顧客・価値提案・収益や利益確保・IT、設問ウで立上げ施策と経営層の指摘を受けた改善を述べる構成です。出題趣旨では、ビジネスモデル策定力だけでなく、経営層に説明して承認を得る能力や経験も評価対象とされている。
設問ア
まず、対象とする現行事業を特定し、その事業が誰に何を提供し、どのような業務や収益構造で成り立っているかを簡潔に示す。その上で、競争激化、顧客ニーズの変化、事業コスト、販売機会の不足など、解決すべき経営課題を具体化する。さらに、なぜ既存事業の改善だけでなく、新たなIT活用型ビジネスモデルの策定が必要になったのかを、現行事業の特性と結び付けて述べる。800字以内なので、事業概要、経営課題、策定の背景が答案全体でつながる粒度に絞ることが重要です。
設問イ
設問アの経営課題を解決するモデルとして、顧客を誰に設定したか、顧客のどのような課題やニーズに対応するか、どのような価値を提供するかを明確にする。次に、顧客からの利用料、手数料、継続契約、関連データや付加サービスなど、収益を得る方法と利益を確保する方法を区別して説明する。ITについては、スマートフォン、IoT、クラウド、データ分析などの名称を挙げるだけでなく、予約、本人確認、無人化、業務効率化、需要予測など、ビジネスモデルのどの機能を実現するかを書く。出題趣旨が求める「ITを活用して策定したビジネスモデル」を満たすには、顧客価値と収益構造とITの役割が対応している必要がある。
設問ウ
立上げ時に重要と考えた施策を、初期利用者の獲得、サービス基盤の迅速な整備、運用・サポート体制、関係部門や外部企業との連携、リスク管理などから選び、なぜ重要か、どのように実行するかを具体化する。その後、経営層から受けた指摘を一つ以上設定し、例えば収益性、投資対効果、対象顧客の狭さ、運用負荷、セキュリティ、実行体制などの観点で、ビジネスモデルまたは施策をどう改善したかを書く。単に指摘を受け入れたと述べるのではなく、指摘の背景、変更内容、改善によって期待する効果まで示す。採点講評では、ビジネスモデルを立ち上げる実践経験や、経営目線でIT活用を推進することが期待されているため、施策と改善を経営課題に結び付けて論述する。
学習のポイント
ビジネスモデルを顧客価値、収益構造、IT、実行施策の連鎖として説明する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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