STITストラテジスト試験 午前Ⅱ

平成30年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問19

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

リーダシップのコンティンジェンシー理論の説明はどれか。

選択肢

  1. ア
    権限行使と命令統制による労務管理を批判し,目標管理制度や経営参加制度などによる動機付けが有効だとしたもの
  2. イ
    恒常的に成果に結び付けることができる個人の行動や思考特性をモデル化し,これを評価や育成の基準にしたもの
  3. ウ
    人間の基本的欲求を低次から,生理的欲求,安全の欲求,所属と愛の欲求,承認の欲求,自己実現の欲求と階層化したもの
  4. エ
    唯一最適な部下の指導・育成のスタイルは存在しない,という考え方に基づいて,リーダの特性や行動と状況の関係を分析したもの
解き方のヒントを見る

記述が成り立つ範囲に着目する

リーダシップに関する理論を学ぶときは、記述がどの範囲で成り立つとされているかに着目しましょう。知っている用語から結論を急がず、与えられた情報を根拠に、適用範囲を丁寧に確かめる姿勢が大切です。

この問題で問われていること

考える際は、扱われている記述の適用範囲が、与えられた情報からどこまで読み取れるかを確認してください。明示されている範囲と、自分の経験や印象から補っている範囲を分け、根拠のない一般化をしていないか確かめましょう。

視点

記述を理解するときは、その内容をどこまで広げて捉えられるかを整理します。適用範囲について直接示された情報と、自分が補った解釈を区別し、読み取れる範囲を越えて意味を広げないようにしましょう。

確認ポイント

  • 適用範囲を判断する根拠は示されているか
  • 読み取れる範囲に自分の解釈を足していないか
  • 示された範囲を越えて一般化していないか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

正解はエです。コンティンジェンシー理論は、唯一最適な指導・育成のスタイルは存在しないと考え、リーダの特性や行動と状況の関係から、リーダシップの有効性を分析します。

状況との適合が判断の中心

コンティンジェンシー理論では、あらゆる状況で最善となる指導・育成のスタイルがあるとは考えません。リーダの特性や行動が、置かれた状況とどのような関係にあるかを分析します。エの「唯一最適な部下の指導・育成のスタイルは存在しない」という前半と、状況との関係を分析するという後半が、この考え方に対応します。

ほかの理論との比較

アは、目標管理や経営参加による動機付けを重視するマグレガーのY理論に対応します。イは、成果につながる行動や思考特性を評価・育成に用いるコンピテンシーの説明です。ウは、基本的欲求を五つの階層として捉えるマズローの欲求階層説です。それぞれ説明する対象が異なります。

選択肢ア

これは不正解だよ。権限行使と命令統制による管理を批判し、目標管理や経営参加による動機付けを重視する説明は、マグレガーのY理論に対応します。人間観に基づく管理の考え方を述べており、リーダの特性や行動と状況の関係を扱うコンティンジェンシー理論ではありません。

選択肢イ

これは不正解だよ。成果に結び付く個人の行動や思考特性をモデル化し、評価や育成の基準とする説明は、コンピテンシーに対応します。高い成果を生む人材の特性を明らかにする考え方であり、リーダシップの有効性と状況との関係を分析する理論とは異なります。

選択肢ウ

これは不正解だよ。生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求という順に基本的欲求を階層化した説明は、マズローの欲求階層説に対応します。人間の欲求の構造を説明する理論であり、リーダの指導・育成の有効性を状況と関連付けて分析する理論ではありません。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。唯一最適な部下の指導・育成のスタイルは存在しないと考え、リーダの特性や行動と状況の関係を分析する点が、コンティンジェンシー理論の特徴です。どのような状況でも同じ方法が最善とはせず、状況との適合によってリーダシップの有効性を捉えます。

学習のポイント

リーダシップと状況の適合を扱う理論を、人間観、個人の能力特性、欲求の階層を扱う考え方と区別しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問19(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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