STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
平成29年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の前提をそろえて考える
経営とITに関わる検討では、結論を急ぐ前に、判断の前提がそろっているかに注目しましょう。同じ言葉でも置かれた状況によって意味が変わるため、何を前提にした記述なのかを意識して整理してみてください。
この問題で問われていること
この分野で考えるときは、ある判断がどのような前提に基づいているかを確認することに焦点を置きましょう。自分が普段使っている言葉の意味や経験を、そのまま当てはめていないかを振り返ると、考えを整理しやすくなります。
視点
前提とは、考えを進めるときに土台としている条件です。明示されている条件と、自分が補っている条件を意識すると、判断の根拠をたどりやすくなります。
確認ポイント
- 判断の土台となる条件を意識できているか
- 明示された条件と自分の推測を区別しているか
- 考える途中で前提を置き換えていないか
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解説
経営戦略を実現するIT導入について、ビジネスの発展や継続性に着目した投資効果の検討を論述する問題です。事業特性と導入目的を出発点に、企画内容、KPIと目標値、効果を実現するための事業部門への提案・評価・改善を一貫して説明します。
問題の全体像
本問は、あなたが携わったIT導入の企画を題材に、経営戦略の実現に向けて投資効果をどう検討したかを論述する問題です。固定された企業事例はなく、自分の経験と考えに基づいて、事業特性、導入目的、企画内容、効果の実現に必要な取組を説明します。添付の公式資料は具体的な答案例ではなく出題趣旨であり、KPIとその目標値を明らかにした具体的な論述を通じて、洞察力、構想力、企画力などを評価するとしています。採点講評では、ビジネスの発展・継続性に着目して投資効果を検討した経験のある受験者は論述しやすかったとする一方、コスト削減・効率化に終始した論述、投資効果の検討内容が不十分な論述、KPIを唐突に説明する論述が見られたと指摘しています。設問アで背景と目的、設問イで企画と投資効果の検討、設問ウで事業部門への提案と改善をつなげる構成が適しています。
設問ア
着目するのは「経営戦略の実現を目指した」「事業概要,経営戦略,IT導入の目的」「事業特性とともに」という指定です。800字以内で、どのような事業を行い、どのような特性が経営上の課題や戦略に関係し、その戦略を実現するために何を目的としてITを導入するのかを述べます。事業特性は、後の投資効果の検討につながる顧客の要求、競争環境、供給責任など、自分の事例に必要な内容に絞ります。単なる会社紹介やシステム紹介に字数を費やさず、事業特性から経営戦略、導入目的へ至る理由を説明することが大切です。採点講評の全問共通の指摘では、論述対象の構想や計画などの概要が適切に記述されていないものや、論述内容との整合性が取れていないものが目立ったとされています。そのため、設問イ・ウで扱う企画と矛盾しない背景をここで明確にします。
設問イ
着目するのは、設問アの目的を実現する「IT導入の企画」と、ビジネスの発展・継続性などに着目した「投資効果の検討」、さらに「重要と考え,工夫したこと」「KPIとその目標値」という要求です。800字以上1、600字以内で、導入後に目指すビジネスモデル・業務プロセス、ITの対象領域・機能・性能を示し、それによってどのような事業上の効果を期待したかを説明します。問題文では、発展の観点として売上げやサービスの向上、継続性の観点として安全で持続的な供給やシステム停止・障害の影響を挙げています。自分の事例に応じた観点を選び、効果をどう見積もり、何を重視し、検討上どのような工夫をしたかを具体化します。KPIと目標値は、導入目的や期待する効果との関係を示した上で、その設定理由を説明すると検討過程が伝わります。採点講評では、投資効果の検討が不十分な論述やKPIを唐突に説明する論述が指摘されているため、数値だけを列挙せず、企画から効果、指標へ至る理由をつなげることが重要です。
設問ウ
着目するのは「期待する投資効果を得るために」という提案の目的と、「事業部門にどのようなことを提案」「それに対する評価」「評価を受けて改善したこと」という三つの要求です。600字以上1、200字以内で、設問イの投資効果を実現するために必要と考えた取組、事業部門の評価、その評価に応じた改善を具体的に述べます。問題文では、組織・業務の見直し、新しいルール作り、推進体制作り、普及・定着活動などを事業部門に提案し、共同で検討することが重要とされています。これらを全て列挙する必要はなく、自分の企画で効果の実現に関わる取組を選び、なぜ必要なのかを示します。その上で、事業部門が何を評価し、どのような懸念や要望を示したか、それを受けて提案のどこをどう改善したかを説明します。これは問題文と設問ウの要求から導く答案構成です。採点講評の全問共通の指摘である、趣旨から外れた論述や具体性に乏しい論述への注意も踏まえ、提案・評価・改善が設問イの企画や期待する効果につながるように記述します。
学習のポイント
経営戦略から導入目的、企画内容、投資効果、KPIへと至る理由を説明し、効果の実現に必要な業務上の取組まで論述する練習が重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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