STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
平成29年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
検討対象の範囲をそろえる
検討を始めるときは、何を対象にして考えているかという範囲に注目しましょう。判断に用いる情報と、その判断が当てはまる対象の範囲をそろえて捉えると、話を必要以上に広げずに整理できます。
この問題で問われていること
考えるべき点は、ある対象について得られた情報を、別の範囲にもそのまま当てはめていないかです。示された条件がどこまでを対象としているかを意識し、検討の途中で対象の範囲が変わっていないか確かめましょう。
視点
同じ話題を扱っていても、情報が指している範囲と、判断の対象となる範囲が一致しているとは限りません。まず検討対象を短い言葉で整理し、その範囲を意識したまま考えを進めましょう。
確認ポイント
- 検討の対象となる範囲を意識できているか
- 用いる情報がどの範囲について述べているか
- 考える途中で対象の範囲を広げていないか
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解説
合併後の物流効率を高めるには、入出荷情報と届け先コードの統合、配送時間条件の調整、在庫配置と出荷準備の見直しが必要です。さらに、積込み作業の実績と時間帯ごとの作業能力を使い、ドライバの待ち時間と拘束時間を減らす。
問題の全体像
飲料メーカF社が健康飲料メーカG社を買収し、商品種類が約2倍、出荷数量が約50%増える事例です。第一段階で物流業務とシステムを統合し、第二段階で物流センタを見直す。既存業務には、入出荷伝票や届け先コードの違い、配送時間条件の違い、在庫スペース不足、トラックの待ち時間、長い配送距離などの課題がある。公式の出題趣旨では、こうした課題を踏まえた業務プロセスの見直しと、情報システムの改善に関する個別システム化計画の策定能力を問うとしている。
設問1(1)
〔G社の概要〕に、現在は委託先の物流会社へ「物流センタへの入荷予定情報」と「顧客への出荷情報」を通知しているとある。統合後はF社がG社商品の在庫管理と輸送・配送を担うので、この情報をF社の物流管理システムで利用できるようにする必要がある。伝票の書式統一に加え、入出庫や出荷準備を管理するための情報を取り込むという考え方です。公式解答例では、この二つの情報を挙げている。35字以内では「G社の商品の物流センタへの入荷予定情報と顧客への出荷情報」とまとめられる。
設問1(2)(a)
〔物流業務及びシステムの統合〕の「同じ顧客でも、登録している届け先コードはそれぞれ異なっている」と「同じ届け先でも同一と識別できない」に着目する。同じ配送先を別々の配送先として扱うと、F社とG社の商品をまとめて配送する計画を作りにくい。そのため、両社で同じ届け先を同一と識別できるよう、届け先コードを統一する。公式解答例でも、統一すべき情報は「届け先コード」です。
設問1(2)(b)
F社の配送希望時間は時間帯指定、G社は時刻指定です。本文には、配送ルート上の異なる届け先が同じ時刻を指定すると、別々のトラックを割り当てる必要があると示されている。配送希望時間に幅を持たせれば、各届け先への到着時刻を調整し、同じ便で順に配送しやすくなる。公式解答例では、G社の顧客に時刻指定から時間帯指定への変更を依頼する。35字以内では「配送希望時間を時刻指定から時間帯指定に変更を依頼する。」と、変更前後の条件を明記する。
設問2(1)
見直し前の地域センタは区分Aだけを在庫し、区分B・Cはエリアセンタからのトラック到着後に加えて取りそろえている。見直し後は区分Bの一部も在庫するので、その分を到着前に取りそろえられる。公式解答例では「出荷準備作業がトラック到着前に行える割合が増える。」と示している。採点講評では、「到着を待たずに配送できる」という解答に触れ、問われているのは到着前に行える出荷準備作業の増加だと説明している。30字以内では、準備作業と実施時点を押さえる。
設問2(2)
本文では、区分Aの大量注文に備えてエリアセンタの在庫量を増やしていた一方、合併後は在庫スペースが不足し、これ以上在庫を増やさない方針としている。大量注文の商品を工場から地域センタへ直送すれば、その注文に対応するための在庫をエリアセンタで増やす必要がなくなる。公式解答例は「エリアセンタの在庫量が増えない。」です。20字以内では、効果の対象であるエリアセンタと、在庫量の増加を抑える点を示します。
設問2(3)
ドライバのアンケートには、地域センタや一部の拠点センタでは、顧客への配送距離が長いため拘束時間が長いとある。配送サポート範囲を見直して配送距離を短くすれば、配送に要する時間が減り、ドライバの拘束時間を短縮できる。公式解答例では「拘束時間が少なくなる。」としている。15字以内では、距離が短くなるという施策の説明から一歩進め、ドライバに生じる効果を答える。
設問3(1)
入場予定時刻は、出発予定時刻と積込み作業時間を考慮して決めている。しかし、積込み作業時間の設定値はシステム導入時から変更されず、指定時刻に入場しても前のトラックの積込みが終わっていないことがある。一方、物流管理システムには各作業の実績時間が蓄積されている。積込み作業の実績を使って所要時間を見直すことが、入場予定時刻の精度向上につながる。公式解答例は「積込み作業の実績時間情報」であり、この表現で15字以内に収まる。
設問3(2)
エリアセンタでは作業者数が時間帯ごとに決まっており、到着するトラックが多い時間帯には作業者不足による入場待ちが発生している。予約枠は到着を分散させるだけでなく、その時間帯の人数で処理できる台数に合わせる必要がある。公式解答例では「時間帯ごとの作業者数によって対応可能なトラック数」を挙げており、30字以内ではこの関係を示します。採点講評では、積込み作業時間の設定値の見直しを答えた例に触れ、ここでは時間帯ごとに準備できる作業者数から予約枠を考える必要があると説明している。
学習のポイント
施策と効果の因果関係を本文から読み取り、出荷準備・在庫量・拘束時間・待ち時間という設問ごとの対象に絞って記述する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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