STITストラテジスト試験 午前Ⅱ
平成28年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問18
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア個々の工程を個別に最適化することによって,生産工程全体を最適化する。
- イ市場の需要が供給能力を下回っている場合に有効な理論である。
- ウスループット(=売上高-資材費)の増大を最重要視する。
- エ生産プロセス改善のための総投資額を制約条件として確立された理論である。
解き方のヒントを見る
制約に着目した整理の視点
経営管理の考え方を整理するときは、個別の施策や用語の印象だけで判断せず、組織全体の成果を妨げている要素に注目し、因果関係と優先順位を確認する視点を持ちましょう。また、部分的な改善と全体への影響を分けて考えることが大切です。
この問題で問われていること
各選択肢を読む際は、説明が局所的な効率や一時的な対応にとどまっているのか、それとも全体の成果を左右する主要な制約を見極め、改善の順序まで考える枠組みを示しているのかという一点に絞って比べてください。
視点
用語の定義を暗記するより、組織全体の目的、成果を妨げる要因、改善による波及範囲を順に切り分け、説明がどの視点を中心に組み立てられているかを比較します。
確認ポイント
- 説明の対象が個別業務か組織全体かを確認する
- 示されている要因と成果へのつながりを整理する
- 改善の優先順位がどのような考え方で置かれているかを見る
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
TOC(制約理論)は、組織や生産工程の成果を制約している要因に着目し、スループットの増大を最重要視して全体最適を目指す理論です。
理由
TOCは、組織の目標達成を妨げる制約条件を見つけ、その制約を活用・改善することで、システム全体のスループットを高める考え方です。スループットは売上高から資材費を差し引いたもので、TOCが最重要視する指標です。
比較
個々の工程をそれぞれ効率化しても、制約工程の能力を超えて全体の成果が増えるとは限らない。また、TOCは需要が供給能力を下回る場合だけの理論でも、総投資額を制約条件として確立された理論でもない。
選択肢ア
これは不正解だよ。個々の工程を個別に最適化しても、制約となる工程の能力を超えて生産工程全体の成果が高まるとは限らない。TOCは各工程の局所的な効率ではなく、制約条件を踏まえたシステム全体の最適化を重視するため、この説明はTOCの特徴と異なる。
選択肢イ
これは不正解だよ。TOCは、市場の需要が供給能力を下回っている場合にだけ有効となる理論ではない。需要と供給能力の関係を限定的な適用条件とするのではなく、生産や業務の成果を制約している要因を見つけ、全体のスループットを高めることを目指す。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。TOCは制約条件に着目して生産システム全体の成果を高める理論であり、売上高から資材費を差し引いたスループットの増大を最重要視する。個別工程の効率や投資額だけでなく、全体として生み出す成果を重視する点が適切である。
選択肢エ
これは不正解だよ。TOCは、生産プロセス改善のための総投資額を制約条件として確立された理論ではない。中心となるのは、システム全体の成果を制約している工程や条件を特定し、その制約を改善してスループットを増大させるという考え方である。
学習のポイント
TOCでは個別工程の効率よりも、制約を踏まえた全体のスループット向上を重視する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問18(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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