STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
平成27年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の前提をそろえて検討する
検討を始める前に、判断の前提がそろっているかを確認しましょう。与えられた情報のうち、明示された条件と自分で補った想定を区別すると、根拠のない思い込みを避けて考えを整理できます。
この問題で問われていること
注目するのは、考えの土台となる前提が与えられた条件に沿っているかという一点です。検討中に新たな想定を加えていないかを振り返り、その想定を支える情報があるかを確かめてください。
視点
前提とは、考えを進める際に土台として置く条件です。自分の経験や知識から自然に補った内容も、与えられた条件とは区別して扱いましょう。
確認ポイント
- 判断の前提を、与えられた情報に結び付けられるか
- 明示された条件と、自分で補った想定を区別しているか
- 検討の途中で、根拠のない想定を追加していないか
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解説
グローバルな事業戦略を踏まえて業務改革を企画し、新しい業務とそれを支えるシステムを構想して、経営者に説明するまでを論述する問題です。システムの機能追加や統合の説明だけで終わらず、戦略と業務改革の関係を具体的に示すことが重要です。
問題の全体像
国内市場の成熟や海外市場の拡大などを背景に、日本企業が海外へ事業を拡大し、又は既存の海外事業のビジネスプロセスを改革する状況を扱っています。添付の「公式解答例」に相当する資料は出題趣旨であり、個別の解答例は示されていません。出題趣旨では、改革すべき業務機能、定義した業務組織、新しい業務の全体像、それを支える新システムの全体イメージの具体的な論述を求め、構想力、企画力、説明する力などを評価するとしています。採点講評では、グローバルな事業戦略や、それに基づく業務改革の記述が不十分で、システム開発・機能追加・統合の説明に終始した論述が指摘されています。設問ア~ウを通じ、経験した事業の戦略から業務改革、経営者への説明までを一貫させることが重要です。
設問ア
「あなたが携わった」「事業の概要と特性、事業戦略」に着目します。800字以内で、対象事業がどのようなグローバル事業なのか、その事業にどのような特性があり、何を目指す戦略を採ったのかを具体的に示します。問題文の海外顧客への拡大や生産国での販売は戦略の例であり、そのまま答案に用いる必要はありません。自分が携わった事業の特性と戦略を記述し、設問イの業務改革が必要になる背景を伝えます。採点講評では、論述対象の概要が適切に記述されていない答案が多かったとされています。後続の検討を理解できるだけの事業概要を示し、システムの紹介だけで終わらせないことがポイントです。
設問イ
「設問アで述べた事業戦略を踏まえ」と「特に重要と考えて検討した内容」に着目します。800字以上1、600字以内で、戦略を実現するために改革すべき業務機能、その機能を実行する業務組織、新しい業務の全体像、それを支える新システムの全体イメージを関連付けて述べます。問題文では、業務組織を定義した上で業務フローなどを描き、ITの要件と主要な機能を整理する流れが示されています。また、グローバルで一元的に行う業務と各国で個別に行う業務の切り分け、多通貨・多言語・法規制・商習慣・時差などが検討観点として挙げられています。自分の事例で特に重要だった観点について、なぜ重要で、どのように検討し、業務とシステムにどう反映したかを具体化します。共通データベース、権限管理、分析・可視化は公式資料が指定する必須要素ではありません。扱う場合は、事例に応じたITの要件や主要機能の例として位置付けます。採点講評を踏まえ、システムの説明に偏らず、事業戦略に基づく業務改革を十分に記述することが重要です。
設問ウ
要求は、新しい業務の全体像と新システムの全体イメージを経営者に「どのように説明」したか、「どのように評価されたか」、さらに「改善の余地がある」と考える事項の三点です。600字以上1、200字以内で、設問イの構想を経営者に伝えた方法と内容、実際に受けた評価、自分が考える改善余地を具体的に記述します。問題文では経営者に説明して承認を得る必要が示され、出題趣旨では説明する力などを評価するとされています。このため、説明した事実だけでなく、経営者が構想を理解できるようにどのように伝え、その説明にどのような評価を受けたかを示すことがポイントです。投資・導入時期・リスク、業務フロー図・システム構成・導入ロードマップ、データ品質・利用定着・効果測定は、この設問で指定された必須要素ではありません。記述する場合は、自分の事例における説明内容・説明手段・改善事項の例として扱い、設問が求める三点との関係を明確にします。採点講評では字数不足や具体性に乏しい論述も指摘されているため、必要字数を満たしつつ、経験に基づく内容を示します。
学習のポイント
事業戦略から業務機能・組織・業務の全体像・システムへと論述をつなげ、経営者への説明と評価まで具体化する練習をします。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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