STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
平成26年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
目的と手段の対応を確かめる
業務や情報システムについて考えるときは、達成したい目的と、そのための手段との対応に注目しましょう。記載された内容をすぐに評価せず、何を目指す話なのかを捉えてから、同じ観点で考えを整理します。
この問題で問われていること
問われている内容を、目的と手段の対応という一つの観点から捉えてください。自分で置いた前提を根拠に混ぜていないかを確かめ、与えられた情報の範囲で、判断に必要なつながりを整理しましょう。
視点
達成したいことと、そのために用いるものを分けて捉えると、考えを整理しやすくなります。両者の対応を検討するときは、与えられた情報と自分の推測を区別し、目的とのつながりに立ち返って考えましょう。
確認ポイント
- 何を達成したいのかを捉えているか
- 手段そのものを目的として扱っていないか
- 目的と手段の対応を、与えられた情報に基づいて考えているか
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解説
M社のリフォーム事業拡大では、店舗とWebサイトを通じた相談受付、専門担当者との情報連携、施工事業者の迅速な選定が必要になる。現状の課題を踏まえ、各業務の時点に必要な行動と情報を具体的に特定することが要点です。
問題の全体像
M社は、大型店舗で展開してきたリフォーム事業を、標準型店舗とWebサイトにも広げようとしている。現状では、専門担当者との日程調整、施工事業者の選定、展示ブース見学客への対応、施工後の仕様に合うインテリア提案に課題がある。拡大戦略では、リフォーム管理システム、写真撮影が可能なタブレット端末、施工事業者選定システムを使って情報を連携する。公式の出題趣旨では、新たな業務に必要な仕組みを検討する能力と、必要な情報を特定する能力を評価するとしている。各設問では、課題と新たな業務を対応させ、誰がどの時点で何を行い、どの情報を使うかを読み取る。
設問1(1)
着目するのは、客が展示ブースに来る予定日時を事前に知らせないため、設計責任者やインテリア担当者が適切に対応できないという課題です。新たな業務では、来店時に両担当者が情報を参照して展示ブースを案内し、プランを提案する。その対応を準備するには、訪問調査時に見学予定日時を決め、リフォーム管理システムに登録する必要がある。公式解答例では「リフォーム展示ブースの見学予定日時を決めて登録する。」としている。35字以内の答案では、対象となる見学予定日時と、「決める」「登録する」の二つの行動を押さえる。採点講評では正答率が低かったとされ、見学客に対応できない現状の課題から具体的な施策を導くことが求められている。
設問1(2)
着目するのは、施工後の写真がなく、リフォームの仕様に合わせてトータルコーディネートしたインテリア商品を推奨できていないという課題です。新たな業務では、リフォーム担当者がインテリア担当者と相談した後、客先でタブレット端末を用いて具体的な商品を推奨する。したがって、答案では端末を使うという操作だけでなく、どのような商品を推奨するかを示します。公式解答例では「リフォームの仕様に合わせてトータルコーディネートしたインテリア商品を推奨する。」としている。45字以内で、リフォームの仕様との適合、トータルコーディネート、インテリア商品の推奨を押さえる。
設問2(1)
設問が対象とするのは、設計責任者が相談・問合せへのアドバイスを行う時点です。従来の相談受付では、客の住所、氏名、電話番号、住宅に関する情報などの「属性情報」と、リフォーム箇所や希望などの「リフォームニーズ」を確認している。新たな業務でも、Webサイトでは客が、店頭や電話ではリフォーム担当者が必要な情報を入力するので、この二つを設計責任者に引き継ぐ必要がある。公式解答例では「属性情報」「リフォームニーズ」の二つを挙げている。現場写真や調査結果は訪問調査で登録する情報であり、相談受付時に引き継ぐ情報とは業務の時点が異なる。
設問2(2)
着目するのは、従来はリフォーム担当者と施工責任者が一緒に現場へ出向き、工事の状況を確認していた点です。新たな業務では、リフォーム担当者が現場を訪問し、タブレット端末を使って施工責任者と連携する。施工責任者が現場の状況を把握するには、写真撮影した工事の内容と進捗状況を共有する必要がある。公式解答例では「写真撮影した工事の内容と進捗状況」としている。25字以内の答案でも、写真による工事内容の把握と進捗状況の両方を含める。採点講評では、「リフォームの仕様」など工事開始前に共有しておく情報を答えた例が指摘されている。工事期間中に確認する情報であることが判断の鍵となる。
設問3(1)
着目するのは、施工事業者ごとに対応できるリフォームの仕様が異なり、施工責任者が案件ごとに施工可能かを問い合わせているという課題です。施工事業者が対応可能な仕様を事前登録すれば、施工責任者は案件の仕様に合う事業者を迅速に選定できる。公式解答例では「施工が可能なリフォームの仕様」としている。25字以内の答案では、単に「リフォームの仕様」とせず、その事業者が施工可能な仕様であることを明確にする。
設問3(2)
本文の課題では、施工責任者が案件ごとに、施工可能かどうか、必要な作業員数、工事の日程・費用を問い合わせている。設問3(1)の対応可能な仕様を事前登録した上で、個別案件の要請に対しては、施工の調整と見積りに必要な具体的条件を回答する。公式解答例では「工事に必要な作業員数,工事の日程・費用」としている。25字以内の答案では、作業員数、日程、費用の三つを漏らさず挙げる。事前登録する施工能力と、案件ごとに回答する施工条件を区別することが要点です。
学習のポイント
課題から新たな業務要件を導き、相談時・工事中などの時点に応じて必要な情報を区別する力を身に付ける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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