STITストラテジスト試験 午前Ⅱ
平成26年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問22
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アROAの増加
- イ自己資本比率の増加
- ウ総資本回転率の増加
- エ当期純利益率の増加
解き方のヒントを見る
指標の変化を読む視点
財務指標の変動を考えるときは、数値そのものだけでなく、期間、比較対象、構成要素、事業活動の変化を切り分け、どの要因が動きに関係しそうかを順に整理しましょう。
この問題で問われていること
一つの指標の増減を判断する前に、同じ基準で比較できているかを確かめ、期間や構成要素などの前提と、実際の事業上の変化を分けて捉える点に注目しましょう。
視点
指標の動きは、計算結果だけでなく、比較する時点や対象、構成する要素、会計上の扱い、事業活動の変化が重なって表れます。まず比較条件をそろえ、その後に変化した要素を一つずつ確認するという順序で整理すると、原因を混同しにくくなります。
確認ポイント
- 比較する期間と対象はそろっているか
- 構成要素のどれが変化した可能性があるか
- 一時的な要因と継続的な要因を区別できるか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
ROEは当期純利益を自己資本で割って求める指標であり、ROA、総資本回転率、当期純利益率、自己資本比率の関係から変化を判断できる。自己資本比率が高くなると、同じROAならROEは低下する。
理由
ROE=当期純利益÷自己資本、ROA=当期純利益÷総資本、自己資本比率=自己資本÷総資本です。したがって、ROE=ROA÷自己資本比率となる。ROAが一定なら、自己資本比率の増加によってROEは減少する。
比較
ROAの増加、総資本回転率の増加、当期純利益率の増加はいずれも、他の条件が一定なら利益を生み出す効率を高め、ROEを上昇させる方向に働く。一方、自己資本比率の増加はROEの分母となる自己資本の割合を高めるため、ROEを低下させる。
選択肢ア
これは不正解だよ。ROAは総資本に対してどれだけ利益を生み出したかを示す指標であり、その増加は総資本全体の収益性が高まったことを意味する。自己資本比率が一定なら、ROAの増加はROEを減少させるのではなく、上昇させる方向に働く。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。ROEは当期純利益を自己資本で割った指標で、ROAと自己資本比率を使うとROE=ROA÷自己資本比率と表せる。ROAが一定で自己資本比率が増加すると、同じ利益に対する自己資本の割合が大きくなり、ROEは減少する。
選択肢ウ
これは不正解だよ。総資本回転率は売上高を総資本で割ったもので、資本を使って売上を生み出す効率を示す。利益率など他の条件が一定なら、総資本回転率の増加はROAを高め、結果としてROEを減少させるのではなく上昇させる方向に働く。
選択肢エ
これは不正解だよ。当期純利益率は売上高に対する当期純利益の割合であり、その増加は売上から得られる利益が増えたことを示す。総資本回転率などが一定ならROAが高まり、自己資本比率も一定であればROEは減少せず、上昇する方向になる。
学習のポイント
ROEとROA、自己資本比率の関係を式で整理し、利益率や資本回転率との違いを理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問22(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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