STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
平成24年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
企画判断を整理するための視点
技術の話題を判断材料にするときは、目新しさだけで結論を出さず、目的との関係、導入時の条件、運用後の影響を同じ枠組みで見比べます。評価軸を先にそろえることが、落ち着いた企画判断につながります。
この問題で問われていること
一つの観点に絞り、各候補が目的に対してどのような価値と制約を持つかを、時間軸と実現条件を分けて確認してください。印象や流行ではなく、判断に必要な根拠がそろっているかを見ます。
視点
技術を評価するときは、目的に照らした効果と、実際に扱う際の前提条件を分けて整理し、同じ観点で比較できる状態をつくります。
確認ポイント
- 判断の目的と評価する観点が対応しているか
- 導入や運用に関わる前提条件を整理できているか
- 短期的な印象と継続的な影響を区別しているか
正解と解説を見る
解説
組込みシステムの企画では、関連技術の動向を分析し、製品の付加価値と競争力を高める技術を選定する。さらに、開発条件や市場評価を踏まえて、技術戦略の妥当性と改善点を評価することが重要です。
問題の全体像
この問題は、技術動向の分析に基づいて企画した組込みシステムについて、企画内容、分析した技術、採用・見送りの判断、実施後の評価と改善点を経験に基づいて論述するものです。問題文では、通信、情報、アーキテクチャ、ユーザインタフェース、ストレージ、半導体、計測、制御、プラットフォームなど幅広い技術が例示されている。分析では、製品の付加価値や競争力だけでなく、市場参入時期、開発スケジュール、コスト、検証・保守の容易性、安全性、知的財産、国際標準、法令なども考慮する必要がある。公式解答例の出題趣旨では、対象製品分野の技術動向を踏まえた製品開発戦略の策定能力、技術の導入戦略、戦略の妥当性の評価が問われると説明されている。採点講評でも、設問の趣旨を理解し、具体的な分析手法、技術的知見に基づく主張、技術戦略への客観的・多面的な評価を示す答案が評価される一方、機能や競争力だけを述べ、技術動向に触れない答案は趣旨と異なるとされている。
設問ア
まず、技術動向の分析対象となる組込みシステムを特定し、性能・機能の概要を簡潔に示す。その上で、なぜその企画が必要になったのかを、市場環境、顧客要求、既存製品の課題、競合との差などと結び付けて説明する。目的は、単に高性能化すると書くのではなく、採用する技術によってどの顧客価値や事業上の成果を実現するのかまで示すことが重要です。800字以内なので、製品の対象、主要機能、背景、目的を絞り、後の設問イで詳述する技術分析につながる前提を明確にする。
設問イ
設問アの企画に対して、どの技術分野を対象に、どのような観点や方法で動向を分析したかを具体化する。例えば、技術の成熟度や性能、コスト、標準化の見通し、開発期間、検証・保守性、知的財産、安全性などを比較し、製品要求や市場投入時期との適合性を評価する。その分析結果を受けて、採用した技術と採用しなかった技術を明確にし、それぞれの理由を製品の付加価値や競争力と結び付けて述べる。外部技術を導入した場合は、開発費・開発期間の効果だけでなく、知的財産や依存リスクなども扱う。800字以上1、600字以内のため、分析対象、評価軸、比較結果、取捨選択、導入方法、期待効果を具体的な因果関係で展開する。
設問ウ
設問イで示した分析と技術選択を、実施後の結果から振り返る。適切だった点は、計画時の判断が性能、コスト、開発期間、品質、市場投入時期などにどのような効果をもたらしたかで説明する。市場からの評価については、売上や採用実績だけでなく、顧客満足、競合との差別化、品質や使いやすさへの反応など、製品価値に即した具体的な評価を示します。さらに、予測の誤り、技術の成熟時期、標準化や法令への対応、保守・拡張性、供給元への依存などを振り返り、今後の改善策を述べる。採点講評では、技術動向、要求機能、製品競争力を論じるだけで技術動向を具体的に説明しない答案も見られたとされるため、評価と改善も技術分析・技術選択とのつながりを保って書く。600字以上1、200字以内で、妥当性、市場評価、改善策をそれぞれ具体的に押さえる。
学習のポイント
技術分析から採用判断、市場評価、改善策までを一貫して論述する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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