STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
平成24年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の前提と根拠を整理する
業務の課題や改革方針を考える際は、与えられた情報と自分の推測を分けることから始めましょう。もっともらしい説明でも、根拠が示されているかを確かめ、判断に使う前提を整理することが大切です。
この問題で問われていること
検討の焦点は、判断を支える情報がどこまで明示されているかです。状況を理解するために補った想像を事実として扱っていないかを確認し、根拠がある内容と、まだ仮定にとどまる内容を区別して捉えましょう。
視点
情報に直接書かれていることと、そこから自分が補ったことは分けて整理します。根拠をたどれるかという同じ観点で、判断の前提を点検しましょう。
確認ポイント
- 判断の根拠を、与えられた情報にたどれるか
- 自分の経験や一般論を、示された事実として扱っていないか
- 明示された内容と、自分が補った仮定を区別できているか
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解説
本問は、食品会社の営業力強化を目的として、消費者ニーズに沿う企画、販売見込額に応じた訪問、受注経路の集約、間接費の適時精算、マスタ更新ルールの整備、注文確定後の内容確認を導く問題です。現状の問題と原因を結び付け、具体的な業務変更として答えることが要点です。
問題の全体像
B社は、加工食品を主力とし、乳製品を得意とするC社を傘下に加えた食品会社です。競争による販売価格の低下に対応しながら、消費者の健康志向や多様なニーズに応える提案が必要です。一方、支店では受注処理の負荷、得意先別の間接費の不正確さ、マスタ更新の遅れ、取引内容の認識差が生じています。出題趣旨では、消費者ニーズと自社製品の強みを結び付ける施策と、業務効率・品質を高める業務内容やルールの見直しが問われています。三つの改革方針に沿って、各問題の原因に直接対応する改善策を考えます。
設問1(1)
着目するのは、量販店が消費者の声を反映した製品提案を求めていることと、SNSのコミュニティで乳製品と一般食材を組み合わせた料理の献立が話題になっていることです。この話題は消費者の関心を示し、乳製品に強いC社を傘下に加えたB社の製品構成とも結び付きます。公式解答例では、この組合せによる料理の献立を企画内容としています。45字以内の答案では、コミュニティでの話題、乳製品と一般食材の組合せ、料理の献立という要素をまとめます。採点講評では、既に実施している内容を転記しただけの解答が指摘されています。Webサイトでの宣伝や献立紹介という活動の説明だけで終わらず、提案する企画の中身を示す必要があります。
設問1(2)
本文では、支店の営業員が見込まれる販売額に関係なく卸売問屋を回り、販売額が少ない得意先にも販促費を過剰に使う場合があるとされています。改革方針は売上・利益の確保を重視した効率的な営業活動なので、訪問の優先順位に販売見込額を反映させます。公式解答例では、見込まれる販売額が大きい得意先から優先順位を付けて訪問するとしています。35字以内の答案では、優先順位の基準である販売見込額と、大きい得意先を優先して訪問する方法を押さえます。単に訪問件数を減らすという表現では、本文の課題に対応する判断基準が伝わりません。
設問2(1)
卸売問屋からの注文は、支店で伝票を受け取り、又は電話・ファックスの内容を伝票に起こして入力しています。例外的な注文は営業員が個別に対応するため、負荷が生じています。一方、注文伝票と注文管理システムの入力項目は統一され、受注センタでは締め時刻後の注文にも対応しています。公式解答例では、卸売問屋に例外的な注文を選別してもらい、全ての注文を受注センタ経由にするとしています。40字以内の答案では、例外注文の選別と全注文の受注センタ経由という二つの変更を示します。採点講評では、標準的な注文以外を受け付けないという解答は出題意図と異なるとされています。例外注文を扱える経路へ集約することが要点です。
設問2(2)
支店では、間接費を月末にまとめて精算することが多く、複数の卸売問屋の費用を混同して入力する場合があります。そのため、得意先ごとの正確な間接費を把握できず、利益の予実管理に必要な費用情報が不正確になっています。公式解答例では、得意先を混同しないよう、間接費を発生の都度精算するとしています。35字以内の答案では、得意先を区別することと、発生の都度精算することを押さえます。売上や利益を管理するという目標だけを書くのではなく、費用の混同を防ぐために営業員の精算業務をどう変えるかを示します。
設問3(1)
支店の事務担当者が行う問合せは、請求明細の配送先店舗名を卸売問屋に確認する作業です。その原因として、所在地や店舗名の変更連絡を受けても、本社の情報システム部で得意先マスタの更新が遅れたり漏れたりすることが挙げられます。本文では、変更連絡窓口と更新のタイミングが決まっていないと明示されています。公式解答例では、情報システム部の変更連絡窓口と更新のタイミングを定めるとしています。35字以内の答案では、情報システム部という担当部門と、この二つのルールをまとめます。採点講評でも更新タイミングが論点とされており、現在の更新担当を踏まえて、変更情報を確実に反映させる改善を示す必要があります。
設問3(2)
営業員の確認負荷は、販売奨励金を卸売問屋が値引きとして扱うなど、取引内容の認識差が請求時に明らかになることで生じています。現状でも、注文が多い場合には確定注文の明細を送って確認してもらうことがありますが、経理部から問合せを受けた後の対応です。公式解答例では、注文確定後に確定注文の明細を卸売問屋へ送付し、内容を確認してもらうとしています。確認を注文確定後に行えば、認識差を早い段階で把握し、請求時の突合せや問合せ対応の負荷を軽減できます。40字以内の答案では、注文確定後という時点、確定注文の明細の送付、卸売問屋による内容確認を押さえます。
学習のポイント
本文の問題点から原因を特定し、担当者・対象・実施時点を明確にした改善策を、指定字数内にまとめる練習を重視しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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