STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
平成23年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
判断の根拠と仮定を区別する
検討を始めるときは、与えられた情報から直接分かることと、自分が補って考えたことを区別しましょう。もっともらしい印象だけで判断せず、考えの根拠がどこにあるかを確かめることに集中します。
この問題で問われていること
この分野の検討では、身近な経験や好みを、与えられた条件と同じように扱っていないかに注目してください。判断につながる考えを一つ取り上げ、その考えが示された情報に基づくのか、仮定を含むのかを確認します。
視点
情報を整理するときは、根拠として示されている内容と、理解のために自分が補った内容を分けて捉えます。仮定が含まれる場合は、それを事実として扱っていないかを見直しましょう。
確認ポイント
- 判断の根拠を、与えられた情報の中に示せるか
- 自分の経験や好みを、根拠として持ち込んでいないか
- 補った仮定を、示された事実と区別できているか
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解説
消費者の要望と購買特性から新製品のターゲットを選び、コンセプトに沿って要求仕様を定める問題です。機能の採否に加え、継続購入を促す製品戦略と派生製品の展開先を検討します。
問題の全体像
D社は、競合が高機能・低価格の製品で売上を伸ばす中、人気製品を開発できず、ターゲットを明確にした製品作りへ方針を転換しています。市場調査に基づいて消費者を分類し、その中から三つのグループをターゲット候補としました。グループⅢの要望に合わせた新製品について、市場性、操作性、技術的制約を結び付けて要求仕様を検討します。出題趣旨では、市場動向や利用者の要求を分析し、製品企画、製品戦略、派生製品の開発を検討する能力が問われています。
設問1(1)①
グループⅢの説明にある「潜在的な市場は大きい」と、要望に応えることで売上を伸ばせる可能性に着目します。グループⅡは現在の需要が最も多いものの、この設問では新製品による売上拡大の可能性を考えます。公式解答例では、最も売上の拡大が見込めるグループと考えられることを挙げています。35字以内では「最も売上の拡大が見込めるグループと考えられるから」とまとめられます。
設問1(1)②
グループⅢには、高価でも要望に合った製品を購入する人が多いという特徴があります。これを、新製品はコスト増となっても高級機種に相当する基本機能を備えるという企画と対応付けます。公式解答例では、高価でも要望に合う製品を買い求める人が多いことを理由としています。35字以内では「高価でも要望に合う製品を買い求める人が多いから」と、価格に対する購買特性を示します。
設問1(2)
〔新製品企画〕に示された「フィルム式カメラのような機械的な操作性」と「高級感」の二つを押さえます。リングによるズーム操作やレバーによるセルフタイマ操作は、この操作性を具体化した仕様です。公式解答例では、フィルム式カメラの操作性と高級感を併せもつディジタルカメラとしています。35字以内の答案でもこの二つを含めます。採点講評では、操作性と高級感をうまく表現できていない解答が一部に見られたとされています。
設問1(3)
表1のグループⅢの列を見ると、連写撮影と背景ぼかし撮影はいずれも要望度が「小」です。ターゲットの要望が少ないことが、両機能を搭載しない共通の理由になります。公式解答例もグループⅢの要望度が少ない機能であることを挙げています。25字以内では「グループⅢの要望度が少ない機能だから」と、対象グループと要望度を明示します。
設問1(4)
グループⅢは小型・軽量タイプを求めています。一方、〔開発技術の分析〕では、光学ズームの倍率が10倍を超えると、本体が大きく重くなると報告されています。要望度が「中」であっても、小型・軽量という要望との両立が難しいため、高倍率の光学ズームを採用していません。公式解答例では本体の大型化と重量増を理由としており、25字以内では「本体のサイズが大きく重くなってしまうから」とまとめます。
設問2
アルバム自動作成ソフトウェアは、D社のカメラで撮影した写真データだけに使用できます。このソフトウェアを継続して利用してもらうことを、次回のカメラ購入時にもD社製品を選んでもらう目的と結び付けます。公式解答例では「次回購入時にも、D社製品を買ってもらうため」としています。25字以内で継続購入の目的を示します。採点講評では、企業側の目的ではなく、消費者から見たメリットを示した解答が一部に見られたとされています。
設問3(グループ)
派生製品の展開先は、機能への要望と経済的余裕を合わせて比較します。グループⅠは経済的余裕が少なく、携帯電話のカメラで満足しているため、ディジタルカメラの需要も少ない層です。グループⅡは経済的余裕があり、機能への要望や新モデルへの買換えも多い層です。公式解答例では、展開先として「グループⅡ」を選んでいます。
設問3(理由)
グループⅡの高倍率ズーム、連写、動画への要望と、経済的余裕があるという購買特性を根拠にします。公式解答例では、機能的要望が高く、経済的余裕があり、派生製品の購入を見込めることを挙げています。40字以内では「機能への要望が高く、経済的余裕もあり、派生製品の購入を見込めるから」とまとめられます。採点講評では、機能要望と経済的余裕の両面を考慮できていない解答が多く見られたとされており、両方を含めることが重要です。
学習のポイント
市場の成長可能性、顧客の支払意思、機能要望、技術的制約を区別し、設問ごとの判断根拠を整理することが重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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