STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
平成22年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
目的と条件の対応関係を確かめる
検討するときは、求められている目的と、その判断が成り立つ条件との対応に注目しましょう。知っている用語の印象だけで結論を急がず、条件を置き換えても同じ判断ができるかを考えると、理解を整理できます。
この問題で問われていること
考える際は、ある判断がどの条件の下で成り立つとされているかを意識してください。目的との関係を保ったまま、明示された条件と自分で補った前提を分けることで、判断の根拠を落ち着いて確認できます。
視点
目的と条件の対応を整理する際は、自分が当然だと思っている前提も意識しましょう。判断だけを切り離さず、それを支える条件と一緒に捉えることが、理解を確かめる手掛かりになります。
確認ポイント
- 目的と判断の条件を結び付けて捉えたか
- 明示された条件と自分で補った前提を区別したか
- 条件が変わる場合も判断の根拠を確認したか
正解と解説を見る
解説
需要家の要望をスマートメータの機能と入力情報に落とし込み、通信手順の変化や海外の多様な事情への対応を整理する問題です。蓄電池の技術提携では、電池メーカの製品戦略をシステム設計に生かす利点を捉えます。
問題の全体像
F社は、既存の家庭用電化製品や太陽光発電装置の事業を基盤に、スマートメータと蓄電機能付き太陽光発電システムを先行開発する方針です。本文には、需要家の要望、国内外の電力事情、通信手順の変化、蓄電池技術の不足が示されています。提示された出題趣旨では、社会的要請や自社の保有技術を整理し、競争力のある製品を企画・提案する能力を問うとされています。各設問では、これらの状況を製品機能、開発課題、技術提携の利点に結び付けて読み取ります。
設問1(1)(a)
〔スマートメータに関連するヒアリング結果〕の「需要家の要望」に着目します。時間別料金制度の下で、高い時間帯に売り、安い時間帯に買いたいという要望から、経済的な電力売買を予定する機能が必要です。また、外出先で家電の運転状況を確認し、消し忘れた電源を切りたいという要望は、監視と制御を一つの機能として整理できます。公式解答例では「経済的な電力売買のスケジューリング」「外出先からの家庭用電化製品の監視制御」が挙げられています。それぞれ20字以内で、経済性を考慮した売買と、外出先からの監視・制御を押さえます。
設問1(1)(b)
〔製品戦略会議〕の「スマートメータのもつ通信手順」が根拠です。通信手順は標準化後も時代とともに変化するため、導入後に更新できる必要があります。一方、移行期間には古い通信手順の家電とも通信するため、新旧の手順に対応できる必要があります。公式解答例では「通信手順の更新を可能とすること」「複数の通信手順に対応可能とすること」と整理されています。前者は将来の変更への対応、後者は異なる手順が併存する期間への対応です。この二つを、それぞれ20字以内で区別して示します。
設問1(2)
〔スマートメータの概要〕には、需要家側の発電状況と家庭用電化製品などの電力使用状況を電力会社へ送信するとあります。この情報を送信するには、まず需要家側の装置からスマートメータへ取り込む必要があります。公式解答例では「太陽光発電装置の発電出力情報」「家庭用電化製品の電力使用情報」が挙げられています。それぞれ20字以内で、発電側と使用側の情報を一つずつ示します。入力の方向が指定されているので、電力会社から受信する制御情報と混同しないことが大切です。
設問2
〔国内外における電力事情の調査結果〕の海外の記述に着目します。通信手順の標準規格化に注力する国があるため、その動向を踏まえて開発する必要があります。また、停電が多い国では停電拡大防止や復旧までの電力自給が求められ、再生可能エネルギーを推進する国では発電量の監視や充電量の制御が求められています。この違いから、国ごとの多様なニーズへの適応が課題になります。公式解答例では「通信手順の標準規格化を踏まえた開発」「多様なニーズに対する適応能力」が挙げられています。それぞれ20字以内で、標準規格への対応と市場ごとの要求への対応を示します。
設問3
設問は、汎用品の購入と比べた、技術提携による専用品調達の「技術上の利点」を求めています。本文では、太陽光発電システムに適した蓄電池の仕様が必要であり、蓄電池市場では先行メーカ間の競争が進む一方、太陽光発電システムは約30年かけて普及するとされています。技術提携によって、電池メーカの製品展開の方向性を把握し、それを組み合わせるシステムの設計に反映できる点が重要です。公式解答例では「電池メーカの製品戦略を太陽光発電システムの設計に生かすことができる」とされています。40字以内の答案では、電池メーカの製品戦略とシステム設計への活用を結び付けます。自社開発の時間や設備投資の削減だけでは、この技術上の利点を説明できません。
学習のポイント
要望・機能・入力情報を区別し、市場と技術の変化を製品仕様や技術提携の判断に結び付ける読み方を学びます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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