STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
平成22年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
新規事業企画を考える視点
地域の特徴と組織が持つ資源を結び付けて考えるときは、外部環境の機会だけでなく、実行に必要な能力や継続可能性との整合にも目を向け、複数の観点を一つずつ整理します。
この問題で問われていること
この設問では、地域側の条件と自社側の強みを別々に捉えたうえで、両者が無理なく結び付くかを確認する観点に絞り、魅力の大きさだけでなく実現性にも目を向けましょう。
視点
新規事業の検討では、地域にある需要や制約と、自社が提供できる価値・人材・設備などの要素を切り分け、両者の関係性、実行可能性、継続性を順に見ます。
確認ポイント
- 地域の特徴が、誰にどのような価値を生む可能性と結び付いているか確認する
- 自社の資源が一時的な活用ではなく、実行や継続にどう関係するか確認する
- 地域の条件と自社の資源を同じ基準で比較し、前提の飛躍がないか確認する
正解と解説を見る
解説
E社のデータセンタ、既存取引先、地域企業とのつながりを生かし、勤怠管理ASP事業の販売、料金設定、付加機能を検討する問題です。
問題の全体像
E社は、データセンタや業務システムの構築実績を持つ情報システム子会社です。地域企業ではシステム化が遅れ、勤怠管理の記入漏れや打刻漏れへの対応が事務負担になっています。そこで、E社は勤怠管理システムをASPで提供する新規事業を計画しました。設問は、既存の関係や地域特性を踏まえた販売促進、顧客が受け入れる料金、投資回収の予測、事務負担軽減・危機管理の付加機能を問うものです。
設問1(1)
既存取引先には給与計算処理などを通じて、従業員に関するデータを既に保有している企業があります。そのため、新たに従業員データを収集・登録する作業を減らせます。公式解答例では、この点を「既に保有している従業員データを利用できる」としています。30字以内なので、既存データの利用による導入作業の軽減に絞ります。
設問1(2)
E社は親会社のつながりを活用して地域企業と取引し、地域の法人の会との関係もあります。また、給与計算処理業務の委託企業が勤怠管理システムに期待しています。したがって、インターネット広告だけでなく、地域の法人の会や給与計算受託先を販売チャネルとして使う具体策になります。公式解答例も、これらのチャネルを活用した販売促進を示しています。
設問2(1)
ヒアリングでは、新たな費用負担の増加は難しく、事務コスト削減などの効果と利用料金の全体的なバランスで採用を考えるという意見が出ています。したがって、料金水準は単に安いというだけでなく、勤怠管理業務で得られるコスト削減効果を下回ることがポイントです。公式解答例では「勤怠管理業務のコスト削減効果より安い料金」としています。
設問2(2)
給与計算処理では従業員数がコストや料金単価に影響し、従業員数が多いほど単価が低減する料金体系です。初期投資回収のための料金収入を予測するには、サービス対象となる従業員数を確認する必要があります。公式解答例も「サービス対象従業員数」としています。15字以内なので、情報項目を端的に書きます。
設問3(1)
本文では、出退勤時刻の記載忘れやタイムレコーダの打刻漏れが多く、その問合せや追記に事務担当者が時間を費やしています。この課題に対応するには、勤怠管理システムと連携し、未入力者へ問合せる機能が適切です。公式解答例では、出退勤時刻未入力者への問合せ機能を示しています。事務負担の原因と機能を対応させて書きます。
設問3(2)
地域では大地震が懸念され、グループは携帯電話を使った安否確認機能を勤怠管理システムに追加しています。この既存の技術や実績を地域企業向けサービスにも生かせるため、危機管理の強化には安否確認機能を挙げます。公式解答例も「安否確認ができる機能」としています。15字以内なので機能名を簡潔に示します。
学習のポイント
新規事業では、顧客課題と自社資源を結び付けて具体化する力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針