STITストラテジスト試験 午前Ⅱ

平成22年度秋期 ITストラテジスト 午前Ⅱ 問9

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

事業戦略のうち,収穫戦略に該当するものはどれか。

選択肢

  1. ア
    売上高をできるだけ維持しながら,製品や事業にかけるコストを徐々に引き下げていくことによって,短期的なキャッシュフローの増大を図る。
  2. イ
    事業を分社化し,その会社を売却することによって投下資金の回収を図る。
  3. ウ
    新規事業に進出することによって企業を成長させ,利益の増大を図る。
  4. エ
    低価格戦略と積極的なプロモーションによって,新製品のマーケットシェアの増大を図る。
解き方のヒントを見る

施策の意図から戦略類型を見分ける

事業戦略の類型を区別するときは、施策の名称や表面的な言葉ではなく、その施策が対象事業の経営資源をどう扱おうとしているかという一点に着目し、各類型の違いを自分の言葉で整理してから判断しましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、複数の戦略類型の中から特定の類型に当たる施策を見分ける力です。用語の暗記よりも、施策が事業の今後に対してどのような資源配分の意図を持つかを読み取り、類型の定義と照らし合わせる姿勢が求められます。

視点

事業戦略の類型は、ある事業に対して企業が経営資源を今後どう振り向けるかという意図の違いによって区別されることが多い分野です。学習の際は、各類型について『資源をどう扱うか』『その結果、事業に何を期待するか』を一行ずつ自分でまとめ、同じ観点で並べて比べると違いが見えやすくなります。個々の施策は、言葉の印象ではなく、この観点に当てはめて位置づけましょう。

確認ポイント

  • 各施策が対象事業の経営資源を今後どう扱う意図なのかを読み取れているか
  • 自分でまとめた各類型の定義と、その意図を同じ観点で照合できているか
  • 言葉の印象や施策名だけで判断せず、資源配分の意図を根拠に説明できるか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

収穫戦略とは、事業への追加投資やコストを抑えつつ、既存事業から短期的にキャッシュフローを回収する戦略です。売上を急拡大させることより、事業の残存価値から得られる資金を重視する。

理由

収穫戦略では、売上高を大きく伸ばすための積極的な投資を抑え、製品や事業にかけるコストを段階的に削減しながら、既存の売上から短期的なキャッシュフローを得る。したがって、アが該当する。

比較

事業の売却による投下資金の回収は売却・撤退に近い考え方であり、新規事業への進出や新製品の市場シェア拡大は成長を目指す戦略です。収穫戦略は、事業を直ちに売却することや市場拡大を目的とするものではありません。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。売上高をできるだけ維持しながら、製品や事業にかけるコストを徐々に引き下げ、短期的なキャッシュフローの増大を図る内容は、追加投資を抑えて既存事業から資金を回収する収穫戦略の特徴と一致している。

選択肢イ

これは不正解だよ。事業を分社化し、その会社を売却して投下資金を回収する内容は、事業そのものを手放す売却・撤退の施策に当たる。既存事業を運営しながらコストを抑えてキャッシュフローを得る収穫戦略とは、資金回収の方法が異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。新規事業に進出して企業を成長させ、利益の増大を図る内容は、事業領域を広げて成長を目指す戦略である。既存事業への投資や事業規模の拡大を抑え、短期的な資金回収を重視する収穫戦略とは目的が反対になる。

選択肢エ

これは不正解だよ。低価格戦略と積極的なプロモーションで新製品のマーケットシェアを増大させる内容は、市場への普及やシェア拡大を目指す成長施策である。コストを抑えて既存事業から資金を回収する収穫戦略とは、対象とする製品の段階や目的が異なる。

学習のポイント

成長戦略や撤退・売却戦略と、収穫戦略の目的の違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問9(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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