STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
平成21年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の前提と根拠を確かめる
検討を始めるときは、判断に使う前提がどこから得られたものかに注目しましょう。与えられた条件と、自分で補った想定を区別して整理すると、思い込みに頼らず、根拠を確かめながら考えを進められます。
この問題で問われていること
この分野では、普段の経験から置いた想定が、与えられた条件に混ざっていないかを確認することが役立ちます。判断に必要だと考えた前提について、その根拠が示されているか、自分の推測なのかを振り返ってみましょう。
視点
考えの出発点となる条件には、明示されたものと、自分が補って受け取ったものがあります。どちらを根拠にしているかを意識し、想定を事実として扱っていないかを点検しましょう。
確認ポイント
- 判断の前提にした条件を意識できているか
- その条件の根拠を与えられた情報にたどれるか
- 経験や推測で補った想定を事実として扱っていないか
正解と解説を見る
解説
事業施策の背景・目的から情報システムの役割を導き、必要な仕組みの検討結果を個別情報システム化構想につなげる問題です。さらに、構築方法の比較と工夫によって投資効果を高め、その結果を根拠とともに評価する論述が求められます。
問題の全体像
本問は、受験者が携わった事業施策を題材として、個別情報システム化構想を立案した経験と考えを論述する問題です。問題文では、通信販売の強化、製造拠点の海外展開、顧客の維持・拡大を例に、施策の目的に合った仕組みを検討する必要性を示しています。これらは題材の例示であり、全てを答案に盛り込む必要はありません。提示された公式資料のテキストは答案例ではなく出題趣旨であり、事業施策に対応する仕組みと、投資効果を高める構築方法を具体的に論述させ、構想力・企画力・問題発見力などを評価するとしています。したがって、設問アで目的と役割、設問イで仕組みと構想、設問ウで構築方法の工夫と評価をつなぐことが中心です。添付の採点講評画像では本文を判読できないため、講評固有の指摘は根拠にしていません。
設問ア
着目するのは、問題文の「事業施策の背景や目的を十分に理解した上で、情報システムが果たすべき役割を見極める」という部分です。800字以内で、対象事業の特徴、施策が必要になった背景や課題、施策の内容と目標、情報システムが担う役割をまとめます。例えば通信販売の強化を題材にする場合は、販路を広げる理由と、受注増加に対応するために必要な業務上の役割を結び付けて説明します。単に「システムを導入して効率化する」と書くのではなく、何が施策の実現を妨げており、情報システムによってどの業務や情報の扱いを改善するのかを明らかにします。出題趣旨では、背景と目的を理解して適切な構想を立案できることを重視しています。この設問では、その理解を示し、後続の検討の前提を置くことが大切です。構築方法の詳細は設問ウに回し、事業施策と役割の対応を中心に書きます。
設問イ
着目するのは、設問の「検討した仕組みの内容」と「その結果を基にして立案した個別情報システム化構想の概要」という二つの要求です。800字以上1、600字以内で、設問アの施策を実現するための課題、検討した業務・情報・運用の仕組み、判断理由、構想への反映を具体的に説明します。問題文の例では、通信販売なら事業拡大への対応と販売物流、海外展開なら生産協調と現地事情を踏まえた運用、顧客の維持・拡大なら営業情報の活用や伝達、営業機会の創出が検討対象です。自分の題材に合う仕組みに絞り、誰がどの情報を使い、業務をどう進めるかまで書くと具体性が出ます。その上で、検討結果をシステム化の対象範囲、主要機能、情報連携、運用方針などに結び付けます。出題趣旨では、検討した仕組みの具体的な論述を求めています。機能を列挙するだけでなく、事業施策に有効と判断した理由と、その判断が構想にどう反映されたかを示すことが、構想力や企画力を伝えるポイントです。
設問ウ
着目するのは、問題文が挙げる「既存システムの改修か新規開発か」「ソフトウェアパッケージの利用か個別開発か」「自社保有か外部サービス利用か」と、設問の「投資効果を高めるために」という条件です。600字以上1、200字以内で、設問イの構想について実際に比較した構築方法、比較の観点、採用理由、加えた工夫、その結果の評価を説明します。全ての選択肢を網羅する必要はなく、自分の構想で判断が必要だった点を掘り下げます。比較の観点としては、初期費用と運用費用、導入までの期間、必要な機能への適合、事業拡大への対応などが考えられます。費用削減だけでなく、早期導入によって事業効果を早く得られるなど、施策の目的と投資効果を結び付けることが大切です。出題趣旨でも、投資効果を高める構築方法の検討や工夫を重視しています。評価は、比較案や従来の方法に対して何が改善したかを、費用・期間・事業上の効果などの根拠で説明します。実績と見込みを区別し、残る課題があれば、その課題を含めて自分の判断を述べます。
学習のポイント
事業目的、仕組みの検討、構想、構築方法、効果の評価を因果関係で結び、自分の判断を具体的に説明する練習が重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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