STITストラテジスト試験 午後Ⅰ
平成21年度秋期 ITストラテジスト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
検討対象の範囲をそろえる
業務改革を考えるときは、何を検討の対象に含めるかという範囲に注目しましょう。記載された内容から対象の境界を確かめ、書かれていることと、自分が補って考えたことを分けて整理すると、検討の土台が整います。
この問題で問われていること
この問題では、与えられた情報がどこまでの範囲を扱っているかを確かめることに集中しましょう。対象の範囲を広げたり狭めたりせず、明記されている内容に沿って考えられているかを振り返るのが検討の手掛かりです。
視点
検討の範囲とは、考える対象に含める部分と含めない部分の境界です。対象を広く捉えた場合と狭く捉えた場合では、同じ情報でも受け止め方が変わることがあります。まず範囲を意識し、記載のない部分を無意識に補っていないか確かめましょう。
確認ポイント
- 検討の対象となる範囲を把握できているか
- 記載のない範囲まで、自分の想像で広げていないか
- 考えている途中で、対象の範囲が変わっていないか
正解と解説を見る
解説
D社の改革は、顧客層に応じた受注方法と部品の標準化によって設計・調達の負荷を減らし、設置予定に合わせて組立てと部品加工を連携させるものです。各設問では、この改革を実現する目的、業務方法、システムの指示内容を具体化します。
問題の全体像
D社は顧客ごとの要求に個別対応してきたため、追加設計の遅れ、複雑な外注発注、部品不足による組立待ち、完成品の出荷待ちが発生しています。改革では、先進的な顧客から得た新しい仕様を定番製品のオプションに活用し、ほかの顧客には基本構成とオプションの組合せで対応します。さらに、生産管理システムで部品加工・組立て・設置の予定を連携させます。提示された出題趣旨では、部門間の連携と業務改善を支える情報システムの構築能力が評価対象とされています。
設問1(1)①ねらい
「新しい営業戦略」にある、先進的な顧客が機能・能力や新しい利用方法について、今までにない仕様を求めるという記述に着目します。その要求を把握することが、新製品の開発と定番シリーズの充実につながります。公式解答例では「機能・能力の要求,新しい利用方法などを把握する。」としています。30字以内では、大型受注という結果だけでなく、新しい要求を把握するという営業活動のねらいを押さえます。
設問1(1)①方法
先進的な顧客には「従来どおりの受注活動を行う」という方針と、従来は設計技術者が同行して顧客のニーズを確認していたという記述を結び付けます。新しい仕様を求める顧客には、そのニーズに基づいた製品を受注します。公式解答例では「顧客のニーズに基づいた製品を受注する。」としています。30字以内では、顧客のニーズに基づく製品の受注という方法を簡潔に示します。
設問1(1)②ねらい
ほかの顧客については、顧客ごとの追加設計によって「作業負荷が大きい割に受注高が伸びない」ことが問題です。定番シリーズを使えば追加設計が不要になるため、設計負荷を抑えながら受注を増やすことができます。公式解答例では「追加設計を行わずに受注高を伸ばす。」としています。30字以内では、追加設計をしないことと受注高を伸ばすことの両方を含めます。
設問1(1)②方法
「設計部門の改革」にある、顧客のニーズに合わせて基本構成とオプションを組み合わせ、製品仕様を決めるという記述が根拠です。営業もこの組合せによって受注することで、個別の追加設計を不要にできます。公式解答例では「製品を基本構成とオプションの組合せによって受注する。」としています。30字以内では、基本構成とオプションを組み合わせて受注することを具体的に示します。
設問1(2)
現状では部品ごとに加工内容が異なり、外注のたびに図面を渡して見積りを取るため、発注事務が複雑になっています。改革後は、外注対象を加工図面が確定した標準部品に限ります。公式解答例では、図面の確定による発注事務の簡素化と外注費の低減を理由としています。40字以内では「加工図面が確定し、発注事務を簡素化して外注費を低減できるから。」のように、変更点と費用削減のつながりを示します。
設問2
受注番号が同じでも、製品ごとに設置作業日時と設置場所が異なる点に着目します。受注単位でまとめて完成させると出荷待ちが生じるため、各製品が設置予定に間に合うよう、配送に必要な時間も考慮して組立日程を決める必要があります。公式解答例では「個々の製品が店舗等に作業予定日時までに届くように指示を出す。」としています。35字以内では、個々の製品、設置先への到着、作業予定日時までという要素を押さえます。
設問3(1)
現状では加工方法が似た部品をまとめて加工していますが、組立順序の変更による加工の割り込みや、必要部品の未到着による組立待ちが発生しています。改革後は、組立工程が必要とする順番に合わせて部品を供給する指示が必要です。公式解答例では「組立ての順に必要な部品を供給できるように指示を出す。」としています。35字以内では、加工効率だけでなく、組立順序と必要部品の供給を結び付けます。
設問3(2)
部品の標準作業時間だけでは、加工に何時間かかるかは分かっても、いつ加工すべきかは決まりません。組立開始時に必要な部品をそろえるには、部品が必要となる時刻から加工日程を逆算する必要があります。本文では、ユニット組立ての着手時刻に部品が届かず作業待ちが発生しています。公式解答例では、追加で必要な情報を「ユニット組立ての着手時刻」としています。答案では、この具体的な時刻情報を挙げます。
学習のポイント
営業戦略と業務改革の因果関係を読み取り、後工程の必要日時から生産指示に必要な情報を導く練習をしましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ITストラテジスト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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