SMITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ
平成28年度秋期 ITサービスマネージャ 午前Ⅱ 問20
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アA × (1−T) ≒ 1
- イA × T ≒ 1
- ウA ÷ (1−T) ≒ 1
- エA ÷ T ≒ 1
解き方のヒントを見る
指標を比較する前提条件の確認
性能に関する情報を検討するときは、まず指標を扱う前提条件がそろっているかに注目しましょう。名称から関係を決めつけず、示された条件の範囲を確かめてから、情報同士のつながりを考えることが大切です。
この問題で問われていること
着目するのは、各指標について考える際の前提条件が共通しているかという点です。与えられた情報のうち、どの条件が各指標に適用されるのかを整理し、明示されていない条件を自分で補っていないか確認しましょう。
視点
前提条件は、情報の解釈に先立って確かめる土台です。示されている条件と自分が想定した条件を分け、同じ前提のもとで考えているかを確認しましょう。
確認ポイント
- 明示された前提条件を確認したか
- 各指標に適用される条件を整理したか
- 書かれていない前提を付け加えていないか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
正解はイです。シングルジョブでは前のジョブの終了後に次のジョブを処理するので、1ジョブ当たりの平均時間の逆数が単位時間当たりの処理件数になります。そのため、A×T≒1となります。
理由
シングルジョブでは一度に1ジョブだけを処理し、前のジョブが終わってから次のジョブを始めます。したがって、平均して1ジョブにAだけの時間がかかれば、単位時間当たりの処理件数Tはその逆数になります。ジョブ間の空き時間などを無視できる場合、nジョブを処理する時間をL[秒]とすると、A≒L/n[秒/ジョブ]、T≒n/L[ジョブ/秒]です。よって、A×T≒(L/n)×(n/L)=1となります。秒/ジョブとジョブ/秒が打ち消し合うので、この積は単位のない値です。
比較
アとウにある「1−T」は、Tを1に対する割合として扱う形です。しかし、Tは単位時間当たりの処理件数であり、単位のない1からそのまま引くことはできません。エのA÷T≒1はA≒Tを意味しますが、AとTは単位が異なります。また、A÷Tの単位は秒²/ジョブ²となり、単位のない1とは対応しません。平均所要時間が長くなるほど処理件数は減るという関係を表すのは、イのA×T≒1です。
選択肢ア
これは不正解だよ。Tは単位時間当たりの処理件数であり、1に対する割合ではありません。式の「1−T」は、単位のない1からジョブ/秒という単位をもつ量を引いており、そのままでは意味をもちません。また、A×(1−T)という形では、順番に処理するジョブの所要時間と処理件数の関係を表せません。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。シングルジョブでは一度に1ジョブだけを処理し、前のジョブが終わってから次のジョブを始めます。そのため、1ジョブ当たりの平均時間A[秒/ジョブ]の逆数が、処理件数T[ジョブ/秒]になります。したがって、T≒1/AよりA×T≒1が成り立ちます。
選択肢ウ
これは不正解だよ。スループットTはジョブ/秒で表す処理件数なので、単位のない1から引く「1−T」は定義できません。この形はTを1に対する割合として扱っていますが、設問のTはそのような比率ではありません。したがって、A÷(1−T)≒1という関係は成立しません。
選択肢エ
これは不正解だよ。A÷T≒1ならA≒Tとなりますが、Aは秒/ジョブ、Tはジョブ/秒で表す量であり、単位が異なるので等しいとはいえません。また、前のジョブが終わってから次を処理するため、1ジョブの平均時間が長くなれば、単位時間当たりの処理件数は少なくなります。両者を等しいとする式は、この関係を表していません。
学習のポイント
ジョブを順番に処理するという条件から、平均所要時間と処理件数の関係を、単位と併せて理解しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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