SMITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ
平成24年度秋期 ITサービスマネージャ 午前Ⅰ 問26
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア上位企業の市場シェアを奪うことを目標に,製品,サービス,販売促進,流通チャネルなどのあらゆる面での差別化戦略をとる。
- イ潜在的な需要がありながら,大手企業が参入してこないような専門特化した市場に,限られた経営資源を集中する。
- ウ目標とする企業の戦略を観察し,迅速に模倣することで,開発や広告のコストを抑制し,市場での存続を図る。
- エ利潤,名声の維持・向上と最適市場シェアの確保を目標として,市場内の全ての顧客をターゲットにした全方位戦略をとる。
解き方のヒントを見る
市場での立場と戦略目標の整合を確かめる
市場地位別の戦略類型を考える際は、名称を暗記するより、企業が市場の中でどのような立場にあるかと、その立場から自然に導かれる目標や行動方針が噛み合っているかを一つの軸として確認することが有効です。
この問題で問われていること
問われているのは、ある企業の市場での位置付けと、その企業が取るべき戦略の方向性との対応関係です。示されている企業の状況を読み取り、立場と狙いが矛盾していないかという一点に注目して検討してください。
視点
競争戦略の類型論では、同じ業界の企業でも、置かれた立場によって合理的な戦い方が異なると考えます。ある行動が適切かどうかは行動だけでは決まらず、その企業の立場から見て筋が通るかで判断されます。立場と方針を切り離さず、常に対にして捉える姿勢が理解の土台になります。
確認ポイント
- 対象の企業が業界内でどのような立場にあると読み取れるかを、根拠とともに整理したか
- その立場の企業にとって、どのような目標を置くことが無理なく筋が通るかを自分の言葉で考えたか
- 検討している内容が、企業の立場と方針の対応として矛盾なく成り立つかを確かめたか
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
フォロワ戦略とは、目標とする企業の戦略を観察して素早く模倣し、開発費や広告費を抑えながら市場で生き残りを図る戦略です。したがって正答はウです。ア・イ・エは、それぞれ競争地位が異なる企業の戦略を説明しています。
正答の理由
フォロワは、上位企業と正面から争うだけの経営資源を持たない企業です。そこで、目標とする企業の戦略を観察して素早く模倣し、自社の開発コストや広告コストを抑えて、市場での存続を図ります。この内容を書いているのはウです。
他の地位との比較
アは上位企業のシェアを奪うための差別化を掲げており、チャレンジャ戦略です。イは大手企業が参入しない専門特化した市場に資源を集中しており、ニッチャ戦略です。エは利潤・名声の維持・向上と最適な市場シェアの確保を目標に、全方位戦略をとっており、リーダ戦略です。
選択肢ア
これは不正解だよ。上位企業の市場シェアを奪うことを目標に、製品・サービス・販売促進・流通チャネルなどあらゆる面で差別化するのは、上位企業に挑んでシェア拡大を狙うチャレンジャ戦略の説明だよ。フォロワは上位企業と正面から争うのではなく、模倣でコストを抑えながら存続を図る立場なので、この記述は当てはまらないよ。
選択肢イ
これは不正解だよ。潜在的な需要はあるのに大手企業が参入してこない、専門特化した市場に限られた経営資源を集中するのは、ニッチャ戦略の説明だよ。すき間市場で独自の地位を築く戦略であり、目標とする企業を観察して模倣するフォロワ戦略とは違うよ。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。目標とする企業の戦略を観察して迅速に模倣し、開発や広告のコストを抑えながら市場での存続を図るのが、フォロワ戦略だよ。上位企業と正面から争うための経営資源を持たないため、先行企業の成果を活用して効率的に事業を続けることを重視する、という考え方だね。
選択肢エ
これは不正解だよ。利潤と名声の維持・向上、そして最適な市場シェアの確保を目標に、市場内の全ての顧客を対象とした全方位戦略をとるのは、業界トップの企業がとるリーダ戦略の説明だよ。豊富な経営資源を前提とした戦略なので、模倣でコストを抑えて存続を図るフォロワ戦略とは違うよ。
学習のポイント
リーダ、チャレンジャ、ニッチャ、フォロワという四つの競争地位と、それぞれの戦略目標を対応付けて覚えましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ 問26(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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