SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
令和7年度春期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
業務整理と情報の見通し方
判断するときは、個別の機能名や印象だけで決めず、業務の流れを分解し、どの情報がどの場面で共有・更新されるかを確認して、全体のつながりから考えます。作業と情報の関係に注目しましょう。
この問題で問われていること
一つの観点として、業務上の作業と情報の流れが対応しているかを確認してください。入力、共有、更新、参照の各場面を順に見比べ、担当者間で認識がずれないかを考えると整理しやすくなります。
視点
業務を作業単位に分け、各作業で扱う情報の状態と受け渡しを並べて考えます。個別機能の多さではなく、業務全体を一貫して捉えられるかという観点で整理しましょう。
確認ポイント
- 業務の開始から完了までを、順序に沿って区切れているか
- 各場面で必要な情報と、その確認相手を区別できているか
- 作業の変化が後続の判断にどう影響するかを追えているか
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解説
不動産売買仲介業務を題材に、現行業務の担当者・情報・承認・状態遷移を読み取り、新システムの自動割当て、AI支援、業務自動化、可視化へ結び付ける問題です。
問題の全体像
K社は、媒介依頼の受付から媒介契約、物件公開、購入申込み、売買契約までを現行システムで管理しています。しかし、担当者の割当て、査定や紹介文作成、メール、物件ステータス更新、営業活動の報告や確認に手作業が残っています。新システムでは、社内外サービスとの連携、AIによる文章作成・校正、売主マイページ、業務自動化、ダッシュボードなどを導入します。出題の狙いは、現在の業務の流れと新システムへの要望を正しく対応付け、必要な機能や計算方法を具体化することです。
設問1
現在は、媒介依頼の物件所在地によって営業担当者が一意に決まり、マネージャが担当者を割り当てています。一方、新システムの方針では地域マスターを管理し、営業担当者の担当地域を登録します。したがって、物件の所在地と地域マスターに登録された担当地域を照合し、該当する営業担当者を自動的に割り当てると答えます。
設問2①
現行業務では、営業担当者が過去のセールス内容を検索し、魅力的で効果的な物件情報の紹介文を作成しています。AIによる文章作成支援の工数削減効果を検証する設問なので、営業担当者が魅力的で効果的な物件情報の紹介文を検討することを押さえます。
設問2②
紹介文は、営業担当者が作成した後、マネージャがK社として不適切な記載がないか目視で確認しています。AIによる校正支援の対象として、マネージャが物件情報の紹介文に不適切な記載がないかチェックすることを挙げます。
設問3(1)
現在の業務では、物件情報を登録した後、営業担当者が売却許可の承認をマネージャに申請し、マネージャが申請内容と紹介文を確認して承認します。新システムで物件登録中から公開中へ進む契機は、このマネージャによる売却許可申請の承認です。
設問3(2)
本文では、営業担当者が電話やメールのやり取りを現行システムに登録し、過去の経緯を確認できるようにしています。新システムはメールのやり取りを自動登録するため、下線②の情報は折衝履歴情報です。
設問3(3)
媒介契約の種類ごとに営業活動報告の間隔が異なります。まず、当該契約の直近の営業活動報告書の提出日に、その契約の報告間隔を加えて次の報告期限を求め、その期限と当日との差を計算します。一般媒介は20日、専任媒介は14日、専属専任媒介は7日という契約別報告間隔を使う点が重要です。
設問4(1)
本文の成約率は、担当した媒介契約がどれだけ売買契約の締結に至ったかを示します。表1では、成約後の状態として成約済、決済済、売却済が並ぶため、分子にはこれら三つの物件ステータスの媒介契約数の合計を入れ、担当した媒介契約数で割って100を掛けます。
設問4(2)
マネージャは現在の業務で、営業担当者ごとの媒介契約数を日々確認し、各物件の物件ステータスの値の推移も確認しています。したがって、ダッシュボードには営業担当者ごとの媒介契約数と、各物件の物件ステータスの値の推移を表示します。
学習のポイント
業務記述から、機能の契機・対象者・対象情報・集計方法を正確に抽出する力を身に付けます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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