SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和7年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問17

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

ある企業でのリスク分析結果は次のとおりであった。情報漏えい対策のうち,事象Cの年間発生確率が最も低くなるものはどれか。ここで,対策前の事象Xの年間発生確率をQ_Xとし,事象Xへの対策によって事象Xの発生を防止できる確率をd_Xとするとき,事象Xへの対策をしたときの事象Xの年間発生確率(P_X)は,Q_X(1-d_X)で計算する。また,事象A又は事象Bが発生することによって事象Cが発生するとき,事象Cが発生する確率(P_C)は,1-(1-P_A)(1-P_B)で計算する。 [リスク分析結果] ・対策前のマルウェア感染(事象A)の年間発生確率(Q_A):40% ・対策前の外部ネットワークからの侵入(事象B)の年間発生確率(Q_B):10% ・情報漏えい(事象C)は,マルウェア感染又は外部ネットワークからの侵入の発生によって,発生する。

選択肢

  1. ア
    d_A=40%のマルウェア対策ソフトとd_B=60%のIPSを導入する。
  2. イ
    d_A=50%のマルウェア対策ソフトとd_B=50%のIPSを導入する。
  3. ウ
    d_A=75%のマルウェア対策ソフトを導入する。
  4. エ
    d_B=75%のIPSを導入する。
解き方のヒントを見る

対策前後で比べる対象を明確にする

確率を使って対策の効果を比べるときは、計算に入る前に、どの状態を「被害が生じた」とみなすのか、そして対策によって何が変わり何が変わらないのかを言葉で整理しておくことが、取り違えを防ぐ第一歩になります。

この問題で問われていること

この分野では、複数の事象がどう組み合わさったときに被害に至るのかという関係の捉え方が、比較結果を大きく左右します。数値を扱う前に、被害に至る条件を自分の言葉で書き出せるかを確認しましょう。

視点

セキュリティ対策の効果を確率で比べる場面では、個々の数値そのものよりも「被害という結果が、どの事象がどう重なったときに起こるのか」という前提の読み取りが土台になります。同じ数値の組でも、事象同士の関係の捉え方が変われば導かれる結論も変わり得ます。まず被害に至る条件を文章で言い表し、比べる対象それぞれについて同じ基準で整理できているかを意識すると、検討の筋道が立てやすくなります。

確認ポイント

  • 被害が生じたとみなす状態を、自分の言葉で一文にまとめられるか
  • 各事象が被害に至る条件の中でどのような位置づけにあるかを、比べる対象ごとに同じ基準で整理できているか
  • 対策によって前提のどの部分が変わり、どの部分が変わらないのかを、数値を扱う前に書き出せているか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

各選択肢についてマルウェア感染と外部ネットワーク侵入の対策後確率を求め、いずれかが発生する確率を計算して比較すると、最も小さい値は19%になる。

理由

対策後の発生確率はP_X=Q_X(1-d_X)で求める。事象CはA又はBで発生するため、P_C=1-(1-P_A)(1-P_B)を用いる。ウではP_A=40%×(1-75%)=10%、P_B=10%であり、P_C=1-(1-10%)(1-10%)=19%となる。

比較

アはP_A=24%、P_B=4%なのでP_C=27.04%、イはP_A=20%、P_B=5%なのでP_C=24%、エはP_A=40%、P_B=2.5%なのでP_C=41.5%となる。したがって、19%のウが最も低い。

選択肢ア

これは不正解だよ。d_A=40%によりP_A=40%×60%=24%、d_B=60%によりP_B=10%×40%=4%となる。したがってP_C=1-76%×96%=27.04%であり、ウの19%より高い。

選択肢イ

これは不正解だよ。d_A=50%とd_B=50%なので、P_A=40%×50%=20%、P_B=10%×50%=5%となる。P_C=1-80%×95%=24%であり、ウの19%より情報漏えいの年間発生確率が高い。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。マルウェア感染はP_A=40%×(1-75%)=10%となり、外部ネットワーク侵入は対策がないためP_B=10%のままである。よってP_C=1-90%×90%=19%となり、比較した中で最も低い。

選択肢エ

これは不正解だよ。IPSで外部ネットワーク侵入を75%防止するためP_B=10%×25%=2.5%だが、マルウェア感染はP_A=40%のままである。P_C=1-60%×97.5%=41.5%となり、最も高い。

学習のポイント

対策後の個別確率と、二つの事象の論理和の確率計算を習得する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問17(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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