SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和6年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問12

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

リーンソフトウェア開発の説明として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    経験的プロセス制御の理論を基本としており,スプリントと呼ばれる周期で“検査と適応”を繰り返しながら開発を進める。
  2. イ
    製造業の現場から生まれた考え方をソフトウェア開発に適用したものであり,“ムダをなくす”,“品質を作り込む”といった七つの原則を重視して,具体的な開発プロセスやプラクティスを策定する。
  3. ウ
    比較的小規模な開発に適した,プログラミングに焦点を当てた開発アプローチであり,“コミュニケーション”などの五つの価値を定義し,それらを高めるように具体的な開発プロセスやプラクティスを策定する。
  4. エ
    利用者から見て価値があるまとまりを一つの機能単位とし,その単位ごとに,設計や構築などの五つのプロセスを繰り返しながら開発を進める。
解き方のヒントを見る

開発手法は目的から見分けよう

ソフトウェア開発手法を区別するときは、名前や用語の印象に頼らないことが大切です。その手法がどのような課題を解決するために考え出されたのかという目的に立ち返ると、他の手法との違いを整理しやすくなります。

この問題で問われていること

問われている手法について、それが何を重視し、何を解決しようとしているのかという中心的な目的を自分の言葉で説明できるかを確かめましょう。そのうえで、その目的と結びつく内容かどうかという一つの観点で検討してみましょう。

視点

開発手法は、それぞれ特定の時代や状況で生じた課題への対応として提案されてきました。そのため手法ごとに、何を優先し何を後回しにするかという価値判断が異なります。表面的な用語や手順の名前は、複数の手法で似て見えることがあります。手法の出発点となった目的を押さえておくと、似た内容の中から本質的な違いを見分ける助けになります。

確認ポイント

  • 対象の手法が生まれた背景にある課題を思い出せるか
  • その手法が最も重視している目的を一言で言えるか
  • 検討中の内容がその目的と矛盾していないか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

リーンソフトウェア開発は、製造業で発展したリーン生産方式の考え方をソフトウェア開発に適用したものであり、ムダの排除や品質の作り込みなどの原則を重視する。

理由

リーンソフトウェア開発は、製造業の現場から生まれた考え方をソフトウェア開発へ適用したものです。ムダをなくす、品質を作り込むなどの七つの原則を重視し、それに基づいて開発プロセスやプラクティスを定める。

比較

アはScrum、ウはXP、エはFDDの特徴を説明している。スプリントと検査・適応、五つの価値、機能単位ごとの反復的なプロセスは、それぞれリーンソフトウェア開発そのものの説明ではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。経験的プロセス制御を基本とし、スプリント単位で検査と適応を繰り返すのはScrumの説明である。リーンソフトウェア開発は、製造業に由来する考え方をソフトウェア開発へ適用し、ムダの排除などの原則を重視するため、この選択肢とは対象が異なる。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。リーンソフトウェア開発は、製造業の現場から生まれた考え方をソフトウェア開発に適用したものである。ムダをなくす、品質を作り込むといった七つの原則を重視し、具体的なプロセスやプラクティスを策定するという説明は適切である。

選択肢ウ

これは不正解だよ。比較的小規模な開発、プログラミングへの焦点、コミュニケーションなど五つの価値を重視する説明はXPの特徴である。リーンソフトウェア開発の背景や七つの原則を説明したものではないため、設問の該当肢ではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。利用者に価値のある機能を単位として、設計や構築などのプロセスを繰り返す説明はFDDの特徴である。リーンソフトウェア開発は、機能単位の五つのプロセスではなく、製造業由来の原則やムダの排除を中心に説明される。

学習のポイント

Scrum、XP、FDDとリーンソフトウェア開発の特徴を用語と背景で区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問12(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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