SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
令和5年度春期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



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判断の前提となる条件をそろえる
この分野の設計を考えるときは、判断の前提となる条件に注目しましょう。扱う範囲や想定する状況が異なると、同じ言葉でも意味が変わることがあります。まずは、何を前提として考えるのかを整理することが出発点です。
この問題で問われていること
設問で扱われている内容について、判断がどの条件の下で成り立つのかを意識してみてください。自分が普段想定する条件を無意識に足していないか確かめ、示されている前提と自分の思い込みを分けて整理しましょう。
視点
前提とは、考える際に置いている条件のことです。明示された条件と、自分が経験や印象から補った条件を区別すると、判断の根拠を整理しやすくなります。
確認ポイント
- 判断の前提として示されている条件は何か
- 自分の経験から条件を付け足していないか
- 検討の途中で前提を変えていないか
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解説
共通の顔認証基盤で個人を認証し、事業者ごとの識別情報を返すことで、ホテルや提携サービスと連携する。性能要件への対応では、認証対象を絞ったエッジ認証による負荷分散と、端末に保持する個人情報の保護が要点となる。
問題の全体像
F社は、顔認証だけでホテルのチェックイン、施設利用、提携サービスの利用を可能にするシステムを開発する。顔認証基盤とホテル業務に依存するシステムを分離し、事業者ごとの識別情報を顔情報に関連付けて連携する構成です。最大100万人分、認証結果取得まで1秒以内という要件に対しては、端末で認証するエッジ認証も検討する。出題趣旨では、基盤の処理内容、個別システムへの適用シナリオ、エッジによる負荷分散を理解する能力が問われている。
設問1(1)
表1の「事業者のシステム」が、端末から認証結果を受信し、識別情報から利用者を特定してサービスを提供する点に着目する。ホテルでは宿泊予約を管理する会員管理システムがこの役割を担うため、端末は認証結果の識別情報をそこへ渡す。公式解答例では、aは「会員管理システムに送信」です。顔認証で得た識別情報を宿泊予約などの業務情報につなぐ処理と捉える。
設問1(2)
主な機能に「チェックイン完了後」、宿泊ルームの開錠やホテル内施設を利用できるとある。顔認証で個人を特定した後、会員管理システムはサービスの利用条件としてチェックインの完了を確認する。公式解答例では「チェックイン完了後のホテルの利用者」です。20字以内ではこの条件を表し、会員登録済みや宿泊予約済みという確認だけで終わらせない。
設問2(1)
機能要件の「顔写真付きの公的証明書との照合」と、表1のスマホによる本人確認に着目する。アプリは、撮影した利用者の顔と、公的証明書の顔写真を顔認証によって照合し、証明書の本人であることを確認する。公式解答例では「公的証明書の顔写真と撮影した顔画像とで顔認証を行う。」です。30字以内で、照合する二つの対象と顔認証を行うことを押さえる。
設問2(2)
事業者にサインインした利用者の顔情報と、その事業者での識別情報が送られる場面です。開発方針のマルチサービスと、表1の顔認証サーバによる関連付けを結び付けて読む。公式解答例では、受信した顔情報で認証し、一致した顔情報に識別情報を関連付ける。40字以内でも、認証による一致の確認と、その顔情報への識別情報の関連付けという二段階を含める。採点講評でも、関連付けの方法の理解が課題として挙げられている。
設問2(3)
識別情報は、ホテルでは会員番号に当たるなど、事業者ごとに利用者を識別する情報です。さらに表1には、端末を複数の事業者で共有でき、サーバが事業者に関連付く識別情報を返すとある。そのため顔情報に加えて事業者の情報を送り、今回必要な事業者の識別情報を特定する。公式解答例では「当該事業者の識別情報を特定するため」です。20字以内では、この具体的な目的を示します。採点講評でも、目的を具体的に記述できていない解答が指摘されている。
設問3(1)
エッジ認証では、顔認証サーバに問い合わせず、端末だけで認証する必要がある。照合には登録済みの顔情報が必要であり、認証後に事業者のシステムへ結果を渡すには、対応する識別情報が必要になる。公式解答例の二つは「顔情報」と「識別情報」です。認証対象者について、両者の対応が分かる状態で端末に保持することで、本人の認証から業務システムへの連携まで行える。
設問3(2)
本文では、チェックイン予定者の認証に必要な情報を毎日ダウンロードするとある。採点講評では、端末のハードウェア制約により保持できる情報が限られるため、認証対象を絞って端末内の情報を限定することが説明されている。公式解答例でも、チェックイン予定者など、認証対象を絞り込める場合を挙げている。40字以内の答案では「チェックイン予定者など,認証対象を絞り込める場合」のように、具体例と適用条件の両方を含める。
設問3(3)
非機能要件では、顔情報などの個人情報の保管に高度なセキュリティが要求される。エッジ認証を導入すると、端末にも利用者の顔情報や識別情報を保持するため、端末を紛失した場合などに情報を消去する手段が必要になる。公式解答例では「紛失などの場合に,利用者の個人情報を消去するため」です。30字以内で、紛失などの状況と、個人情報を消去する目的を結び付けて示す。
学習のポイント
認証とサービス利用条件の確認を区別し、情報の関連付けと受渡しを追う。エッジ認証は対象を絞る理由まで理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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